本記事では、メタバース推進協議会について、どんな団体なのか、具体的にどんな活動をしているのかを詳しく解説していきます。

 

|メタバースとは?

メタバースとは、言葉自体は造語で、「メタ(meta)」は「超越した」「高次の」という意味で、「バース」は「ユニバース(universe/宇宙)」という2つを組み合わせてできた言葉で、日本語にすると「高次の宇宙(世界)」と直訳できます。

また、メタバース=インターネット上に作られた仮想空間で知られておりますが、意味としてはそれだけではありません。

その他の大きな特徴として、多人数が同じ仮想空間内に入り、その中ではアバターと呼ばれるもう一人の自分を操作しながら、空間内を自由に行動することが可能です。

メタバースの世界では、従来のゲームとは異なり、アバター行動の制約が無く、基本的には現実世界同様、自由に動くことができます。

アバターの行動に制約が無いことから、ゲームやファンイベントなどの娯楽はもちろん、展示会やオフィスなどのビジネス利用などが考えられ、様々な可能性が広がっています。

また、VR(仮想現実)やAR(各超現実)などの技術を活用することで、メタバース上にあたかも自分がいるような感覚を共有することも可能です。

 

|メタバース推進協議会とは?

出典:https://jmpc.jp/

2022年3月に一般社団法人として公式に発足した「メタバース推進協議会」をご存知でしょうか?

一体どのような活動をしている団体なのか、どんなことを目指しているのか。

・メタバース推進協議会概要

・メタバース推進協議会活動内容

2つに分けて解説していきます。

 

・メタバース推進協議会概要

メタバース推進協議会は、日本国内におけるメタバース空間内でのコミュニティ形成やルール作り、ビジネス普及・推進などを目的として設立されました。

【名称】

一般社団法人 メタバース推進協議会

【設立】

2022年3月末日(※2021年12月より任意団体として活動)

【所在地】

〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3番33号プリンス通りビル2階

 

・メタバース推進協議会活動内容

未だ発展途上でルール化が追い付いていない「メタバース」は、課題が多く残されています。

安心して仮想空間を楽しむことや、メタバースのビジネス普及を推進するためのルール作り(ガイドライン設備・ルールメイキング戦略・標準化)を目的として、協議会では、大きく3つの活動をしています。

 

・世界動向を踏まえた日本国内メタバース空間と人・企業の関わり方に関わる研究、及び成果等の広報、啓発活動

・メタバース空間を活用した生活文化形成・伝承のあり方に関する勉強会、講演会やセミナー等のイベントの企画、運営

・メタバース空間内のビジネス、デジタル通貨、デジタル資産、法律の在り方に関わる研究、及び成果等の広報、政策提言

 

|メタバース推進協議会の役員

ここからは、協議会の組織について解説します。

協議会は、各プロジェクトごとに人員がアサインされ、そこに加盟個社が参画することで実施されていく仕組みとなっています。

協議会役員は、以下の通りです。

 

【代表理事】

養老 孟司(ようろう たけし)

出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news116.html

【経歴】

1995年、東京大学を57歳で退官。以後は北里大学教授、大正大学客員教授を務める。現在は、代々木ゼミナール顧問、日本ニュース時事能力検定協会名誉会長、ソニー教育財団理事、21世紀高野山医療フォーラム理事を務めている。

【メタバースに対する見方】

「メタバースのようなもので今の様子をきちんと紹介できれば、50年後にも今を見直すことができるのではないか。基礎的なデータとしてメタバースが使えるのではないか。お金になるかどうかは、私には分かりません。ですが、ドキュメント性にはいい。」と養老氏は語っています。

 

 

 

 

【常任理事】

溝畑 宏(みぞばた つよし)

出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news116_2.html

【経歴】

1985年、東京大学法学部卒業、自治省入省。 北海道庁、自治省財政局、大分県企画部次長、自治省行政局理事官などを経て2004年株式会社大分フットボールクラブ(大分トリニータ)の代表取締役に就任。

 

 

 

 

【常任理事】

木内 孝胤(きうち たかたね)

出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news116_4.html

【経歴】

1989年、三菱銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行し、12年間勤務する。 その後はドイツ証券、UBS証券、メリルリンチ日本証券(投資銀行部門マネージング・ディレクター)を経て、2008年8月にメリルリンチ日本証券を退社。

 

 

【特別顧問】

隈 研吾(くま けんご)

出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news116.html

【経歴】

1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。

 

 

【特別顧問】

廣瀬 通孝(ひろせ みちたか)

出典:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news116.html

【経歴】

1977年東京大学工学部産業機械工学科卒、82年同大学院博士課程修了、「分散型システムの最適構造化に関する研究」で工学博士、東大工学部専任講師、83年助教授、91年東大工学部機械情報工学科助教授、99年東京大学先端科学技術研究センター教授、情報理工学系研究科教授。 2020年定年退職。

 

 

|メタバース推進協議会の狙い

メタバース推進協議会を発足した狙いとは、何なのでしょうか?

・メタバース空間との関わり方の研究

・メタバース空間内のルール作り

上記2つに分けて解説していきます。

 

・メタバース空間との関わり方の研究

協議会のミッションのひとつとして、日本が先導して世界に発信できるよう世界動向を踏まえた国内のメタバース空間と人・企業の関わり方を研究するというものがあります。

今後は、研究成果をもとに勉強会や講演会、セミナー、イベントによる企画・運営を行っていき、最終的に人や企業のメタバース参入をコーディネートするとしています。

 

・メタバース空間内のルール作り

メタバースは今後、新たな世界として、さらにプラットフォームが進化していきます。

一方で、仮想空間内のガイドライン整備、ルールメイキング戦略、標準化などが追いついておらず、課題が多く取り残されています。

今後、協議会では、空間内の法的なルール化を整え、ビジネスへの普及・促進を目指すとしています。

 

|メタバース推進協議会の懸念点

団体づくりは難しく、2022年5月現在、日本では相次いでメタバースの関連団体が設立されており、一般ユーザーの声として、「どの団体がどのようにメタバースに関わろうとしているのか?」といった疑問も少なくありません。団体は、その実効性を明確化する必要があるでしょう。

 

 

また、参画企業にIT 技術面の企業が少ない点も懸念点として挙げられています。

【第一回メタバース推進協議会参画企業・団体一覧】

ANAホールディングス

株式会社アースインフィニティー

公益財団法人大阪観光局

Automagi株式会社

信越メタバース推進協議会

株式会社シンリョウ

ShinwaWiseHoldings株式会社

GFA株式会社

株式会社ジャパン・­ミュージックエンターテイメント

株式会社スタートトゥデイ

株式会社スターマウンテン株式会社

株式会社セブンネットショッピング

株式会社日本総合研究所

八八株式会社

BSPファミリーオフィス株式会社

株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメント

学校法人藤田学園 藤田医科大学

Brave Software Asia株式会社

株式会社ベイカレント・コンサルティング

株式会社マルハン

三菱商事株式会社

 

 

|まとめ

いかがでしょうか?今回は、「メタバース推進協議会」の概要から実際の活動まで解説してきました。

メタバースの世界はまだ始まったばかり。

私たちが、安心してメタバースを楽しむためには、もう少し空間のルール作りや、コミュニティなどの整備が必要であることがわかりました。

まだまだ発足したばかりの団体、今後の活動に注目していきましょう!