近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。
DXはデジタル技術を活用して物事のプロセスを改善し、新たな価値を生み出すことを目的としています。
身近なシーンから、DXに取り組むためにはどんなことをすればよいのでしょうか。
そこで本記事では、DXの身近な例を紹介しながら、推進ポイントについても解説していきますので、是非最後までご覧ください。
目次
|身近なDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用して物事のプロセスを変革し、持続的な競争優位性を構築するための戦略的な取り組みを指します。
これは単なるデジタル技術の導入だけでなく、文化やフローの根本的な変革も含みます。
DXには、データ分析、クラウドコンピューティング、人工知能、IoT(Internet of Things)などの最新テクノロジーを活用することが一般的です。
例えば、買い物はネットで手軽に済ませたり、スマホでいろんなサービスを利用できたりします。
これは企業も同じで、仕事の進め方やサービス提供の仕組みをデジタル化して、もっと効率よく、使いやすくすることを指します。
デジタル技術の力で、生活や仕事がさらに効率よく、快適に、便利になることを目指しています。
社会課題に対応する手段として注目を集める
現在、様々な業界の現場では人手不足や業務過多といった課題に直面しています。
日本は少子高齢化という社会問題に陥っており、単純な労働人口が低下している状況です。
しかしながら国際社会との競争、企業成長のためにはこれまでと同じ、もしくはそれ以上の業務をこなす必要があるのです。
労働人口が減り続けている状況において、効率よく業務をこなすためには生産性の向上が必須。
そこで労働環境のDXが急速に注目を集めているのです。
これまで利用してきた古いシステムから、AIなどを活用した新しいシステムへ変更し、少ない人数でこれまで以上の業務をこなすことは決して不可能ではありません。
また、現在では多様化する消費者ニーズから、市場がよりニッチになりつつあります。
こうした環境に対応するためには、これまで通りマンパワーによるマーケティングでは対応しきれなくなっています。
そのため、労働環境の改善といった面だけではなく、これからのビジネス成長にはDX化は欠かせません。
社会変化に迅速に対応し、的確なサービス、商品提供を実現する手段として期待されているの
|身近なDXを成功させるポイント
ここからは、DXを成功させるためのポイントを紹介します。
DXそのものを目的としない
DXは、新しいビジネスモデルを実現するための手段であることがあります。
ただし、業務の効率化や問題解決とは必ずしも直結しているわけではなく、DXを取り入れる必要性がない場合には、強制的にデジタル化を行う必要はありません。
DXを目的とするのではなく、何らかの目標や問題解決の手段としてのDXを検討することが重要です。
中長期計画の設定
DXを実行する前に、将来のビジョンを明確にし、中長期的な計画を策定することが重要です。
単に業務の一部をデジタル化して終わりにするのではなく、DXは継続的かつ長期的な取り組みであることを認識する必要があります。
DXの目的やビジョンを明確にし、戦略的に取り組むことが成功の鍵となります。
外部視点
DXを推進するためには、外部のIT専門家とのコミュニケーションが不可欠です。
彼らからの新しい視点やアイデアを取り入れることで、ビジネスに新たな展開の余地を生み出すことができます。
また、自社内に必要なスキルセットが不足している場合は、外部のITコンサルタントやアウトソーシング企業などの専門家を積極的に活用することが求められます。
さらに、デジタル化のプロセスにおいては、外部の便利なツールやサービスをうまく活用して、より迅速に目標を達成することも大切です。
|DXの身近な例(日常生活)
ここからは、日常生活における身近なDXの例をいくつかご紹介します。
モバイルオーダー
マクドナルドやスターバックスなどが提供しているモバイルオーダーとは、スマートフォンなどのモバイル端末から商品を注文できる仕組みです。
顧客は対面でのやり取りが不要なため待ち時間が短縮され、顧客満足度の向上につながります。
また、企業側にとっては販促手段として活用できるほか、顧客データの収集も可能になります。
このように、企業と顧客の双方にとって利益をもたらすDXと言えます。
サブスク
DXの身近な例には、サブスクリプションサービスがあります。
NetflixやSpotifyなどの月額制動画配信サービスや音楽配信サービスでは、ユーザーは一定の料金を支払うことで、自由にコンテンツを利用できます。
これにより、DVDやCDをレンタルする必要がなくなり、より便利に楽しめるようになりました。
サブスクリプションは所有ではなく利用が中心であり、これまでの生活スタイルに変革をもたらしました。
無人レジ
自動レジやセルフレジなどの無人レジが、コンビニやスーパーマーケットをはじめ、企業内の売店でも導入されています。
このようなシステムは、24時間営業や従業員の負担軽減といったメリットがあり、深夜帯の利用客へのサービス提供にも役立っています。
また、自動レジを利用することで、従業員の人件費削減や人員不足対策も期待できます。
無人レジの導入は、顧客の利便性向上と企業の経営効率化につながっているといえます。
車両手配サービス
車両手配サービスとは、ユーザーがスマートフォンアプリを利用して、タクシーや有償のライドシェア車両をいつでも、自分がいる場所から呼び出せるサービスです。
日本ではまだ普及していませんが、海外では「ウーバー」や「ディディ」などが知られています。
日本ではライドシェアが禁止されていますが、タクシーとハイヤーの車両手配サービスは提供されており、DeNAやソニーに加えて、ウーバーやディディも市場に参入しています。
食品配達サービス
都市部を中心に展開している食品配達サービスは、ウーバーイーツや出前館などが代表的なDXの例です。
以前は、出前注文は店に電話やFAXで行っていましたが、今ではアプリやブラウザで注文と決済が完結するため、ユーザーは受け取るだけという手軽なサービスとなっています。
ユーザーはラインナップにある店舗や商品から選択し、配達場所を指定することで、お気に入りの料理を自宅で簡単に楽しむことができます。
スマート家電
スマート家電は、AI技術を搭載した従来の家電製品の進化版であり、より使い勝手がよく、便利な家電製品のことを指します。
たとえば、家庭用ロボット掃除機は、最近では家庭やスーパーでよく見かけるようになり、身近な存在となっています。
また、スマートエアコンは、外出先からスマートフォンで電源オン・オフができたり、人がいる場所といない場所を自動的に感知して、風向きや温度を調節できたりします。
声で操作できる照明器具もあるなど、多くの家庭やオフィスにある家電製品が、徐々にスマート家電に置き換わっていくことが予想されます。
|DXの身近な例(社内業務)
ここからは、社内業務における身近なDXの例をいくつかご紹介します。
AIやRPAツールを活用した業務の自動化
AIやRPAツールを導入することで、企業は業務を自動化できます。
社員が煩雑な単純作業から解放され、より高度なタスクに集中することができるようになります。
例えば、AIを活用して売上データを自動収集しグラフ化したり、RPAツールを使って請求書の発行や勤怠管理を自動化することができます。
さらに、RPAは異なるシステムやツールとの連携が可能であり、複数の部署が関わる業務でもシームレスなプロセス改善が可能です。
これにより、業務の効率化と精度向上が実現され、企業の生産性を向上させることができます。
書類のデータ化
書類を電子化することによって、紙ベースの文書管理に比べて、場所を取らず整理が簡単になります。
紙文書はスペースを占有し、処分するにも手間や費用がかかることがありますが、電子データ化すれば、サーバやクラウド上にファイルを保管することができ、必要な時に簡単にアクセスすることができます。
管理ツールの活用
情報管理ツールを利用することで、業務体制を整理し、顧客に最大限の価値を提供することができます。
デジタルトランスフォーメーションを推進するには、業務自動化にAIやRPAツールだけでなく、SFA、MA、CRMのような複数のツールを導入することが重要です。
これらのツールを使用することで、顧客情報を効率的に取得し、データを活用することができます。
企業は、これらのツールを導入して、社内のデータ活用基盤を整備することが必要です。
|身近なDXが進むと、私たちの日常はどう変わるのか
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、ビジネスシーンだけでなく、私たちの生活の中でも身近な存在です。
中国ではキャッシュレスが当たり前であり、日本でも無人コンビニなどDXを取り入れたサービスが登場しています。
日本でもDX化が進めば、今とは比較にならないほどにスピーディー&効率的で便利な未来が訪れます。
DXは、私たちの日常の生活にも大きな影響を与えることができるため、DX習慣を身につけ、生活を豊かにすることが大切です。
|社内DXを進めるためのポイント
社内でDX化を効率よく進めるためには、いくつかのポイントを抑えた施策が重要となります。
新しい試みとなりますので、行き当たりばったりで進めてしまうと失敗してしまうでしょう。
そこで、以下の内容に沿って進めることをおすすめします。
- 部門単位で推進
- 部門を集約するチームを設置
- 各部門間の連携
部門単位で推進
まずは、社内の最小単位として「部門別」にDX化に向けた取り組みを推進させる必要があります。
これまでアナログで進めていた業務を洗い出し、どういった作業を自動化すれば良いのかを選定。
それらに応じたシステム導入などを検討する必要があるでしょう。
この時点でも目的は社内全体ではなく、部門間で独立した考えで問題ないといえます。
大きな連携を意識することなく、各自の作業における課題解決を導いていきましょう。
部門を集約するチームを設置
各部門におけるDX化施策が固まってきた段階で、それぞれの部門をつなぎ合わせるチームを設置しましょう。
このチームが目的とするゴールには「社内全体への連携」そして「成果の共有」があげられます。
各部門で推進するDX化の進捗、事例をとりまとめ、スムーズに連携させます。
他部門の状況が可視化されることで、競争力が働き全体の動きが機敏になることが期待できます。
定期的な報告などを含め、各部門を集約した活動を進めていきましょう。
各部門間の連携
社内DXを進める最終段階では、経営層によるDX戦略の立案から、本格的な部門連携を実施します。
当初に実施した部門別での課題解決は社内全体の取り組みになり、徐々にDX化による効果が表れている段階でもあります。
しかしながら、DXによる効果を実感するまでには時間を要することも多く、根気のいる作業であることも事実。
また、前例がないことも珍しくないので、段階別に成果を確認しつつ、細かい軌道修正といった作業もポイントになるでしょう。
経営層、現場、チームが一つになり、中長期的な目線でDX化へ向けた取り組みを推進することが大切です。
|まとめ
いかがでしたか?
本記事では、DXの身近な例を紹介しながら、成功させるポイントについて解説しました。
DXの成功には、明確な目標設定を行い、組織を変革することが不可欠です。
そのためには、時間、人材、予算を確保することが必要となるほか、社員全員が同じ方向を向き、共通の目標に向かって努力することが、DX推進の鍵となるでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!