2024年現在、ゲームは以前より一層身近な存在となり、世界中の多くのユーザーから支持を集める人気タイトルが頻繁に発表されています。

中には大規模な大会が実施されるゲームも珍しくなく、トッププレイヤーはスポーツ選手や囲碁や将棋、チェスのプロのような社会的地位を確立しつつあるといえるでしょう。

そんな娯楽を超えたものとして年々注目を集めるゲームですが、その制作ソフトも大幅に進化していることをご存知でしょうか。

Unreal engine(アンリアルエンジン)は、そんな現代のゲーム制作の根底を支える重要な役割を担うソフトウェアの一つ。

誰もが知る人気タイトルもUnreal engineも使用して制作されるなど、ゲームクリエイターを目指す人はもちろん、現在の世の中に必要不可欠な存在として重宝されているのです。

本記事では、そんなUnreal enginの基本的な特徴の解説から、代表的なゲームタイトルを一挙紹介。

一読いただければUnreal engineに関する情報を理解できるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

|Unreal Engineとは

出典:https://www.unrealengine.com/ja/

Unreal Engineとは、アメリカのEpic Games社が開発したソフトウェアであり、業界内では「Unity」と並ぶスタンダードなゲームエンジンです。

ゲーム開発だけではなく、建築や自動車設計のほか、映画、アニメーション、テレビ番組制作など、幅広い分野において活用されています。

名称の一部である「Unreal」とは、元々Epic GamesがリリースしたPC向けFPSゲームのタイトル。

そして、Unreal EngineはそのFPSゲームを制作するために作られたミドルウェアをライセンス販売したことが始まりです。

1998年にUnreal Engine1が発表され、2022年4月には最新バージョンとなるUnreal Engine5がリリースされています。

直感的な操作で注目される

Unreal engineが注目を集める最も大きな理由として「プログラミング知識」を問わない点があげられます。

従来、ゲーム制作には高度な専門知識が必要でした。

しかし、Unreal engineは「直感的な操作」を元にしながら、高い機能性を実現しているのです。

その理由は「ブループリント機能」ツールの存在にあります。

このツールは「ビジュアルスクリプティング」と呼ばれる手法を採用しており、グラフを活用したプログラミングを可能にしています。

ブループリントで選択できない機能を追加したい場合は「C++」言語を必要としますが、基本的なゲーム制作に必要となる機能は十分に含まれております。

そのため、初心者でも簡単にゲーム制作を進められるのです。

無料で利用可能

「高い機能を持つのであれば、利用料金も高いのでは?」と不安に思われた方もいるかもしれませんがご安心ください。

Unreal engineの利用利金は「無料」。

そのためいつでも誰でも、簡単にハイレベルなゲーム制作環境を手に入れられます。

2014年まではサブスクリプション形式での販売がされていましたが、2015年以降は無料利用が可能になりました。

提供されるバージョンも進化しており、一層高い技術が使用されたにも関わらず無料になったという点は驚くべきかもしれません。

しかし、Unreal engineを使用して制作したゲームが四半期に3,000ドル(約40万前後)以上に達した場合、その5%をロイヤリティとしてEpic Games社へ支払う義務が発生します。

初心者のうちは無料で利用できますので、安心してゲーム制作を楽しみましょう。

|Unreal Engineでできること

Unreal Engineで実現できることについて、以下の項目に沿って解説していきます。

  • 3Dゲームの制作
  • 3Dワールドの構築
  • 3D/2Dキャラクター制作
  • 3Dアニメーションの編集

3Dゲームの制作

前述した通り、Unreal EngineはもともとPC向けFPSゲームを制作するために作られたミドルウェアです。

そのため、3Dゲームの制作は最も得意な分野といっても過言ではないでしょう。

ゲーム制作と聞くとプログラミングなどの専門知識が必要と思われますが、前述した「ブループリント」というツールを利用すればコード入力無しでゲームシステムを構築できます。

ブループリントではゲームに必要な機能や動作が事前に設定されているため、任意の演出を誰でも簡単に実装できるのです。

バリエーションも豊富に用意されているので、幅広いアクションに対応しています。

プログラミング知識を必要とすることなく、思い通りのゲーム制作が実現できるでしょう。

3Dワールドの構築

Unreal Engineを利用すれば、3Dワールドの構築も可能です。

ゲームが展開するフィールド全体のことであり、キャラクターが実際に動く世界を作るということですが、「ランドスケープツール」を利用することで簡単に作成できるのです。

このツールは現実世界に存在する要素である山や谷、洞窟といった自然の造形を再現可能。

さらに「グラスツール」では草木や森を表現、「ウォーターシステム」では海や河川を創り上げることも可能です。

コントローラーを利用して自然な動きを表現できますので、非常にリアルな世界観を構築できるでしょう。

さらに、作り上げた世界を崩壊させる「Chaos」という機能もあります。

幅広い世界観を、容易に構築することが可能です。

2D/3Dのキャラクター制作

Unreal Engineには「メタヒューマン」というツールが搭載されています。

こちらを利用すれば、まるで実写のようにリアルな3Dキャラクターが簡単に制作できます。

基本的な造形はデータベースの中にあるサンプルから選択してカスタマイズできますので、デザインに自信が無い人でも簡単に複数キャラクターを創造できるでしょう。

体型や肌色、髪の毛といった大まかな要素だけではなく、目や歯といった顔の細かい部分や化粧などを指定できます。

さらに想像上の生き物の毛皮も再現できますので、人間以外のキャラクターも容易に制作可能です。

このように、2Dキャラクターだけではなくレベルの高い3Dキャラクターが容易に制作できることは、ゲームを構築する上で重要な要素になります。

3Dアニメーションの編集

現在のゲームではアニメーションも重要な要素の一つとなっています。

Unreal Engineでは、そんな3Dアニメーションの編集も容易に可能です。

「シーケンサー」というツールを利用することで、キャラクターの動きをカメラで撮影するように記録でき、それらの素材をムービーとして編集できるのです。

通常の動画編集のように、カットからライティング、レンダリングやポストエフェクトまでをワンストップで行えます。

BGMや効果音を加えることで、迫力あるムービー作成が実現できるのです。

自身で創造したキャラクターを自由自在に動かして、ハイクオリティなアニメーションを作り出す体験はUnreal Engineならではといえるでしょう。

|ゲーム制作に最適なUnreal Engine

Unreal engineは無料でありながら、前述したように様々な制作が実現します。

特にゲーム制作に関する機能は突出しており、以下のように様々なメリットが教授できるのです。

  • 美しいグラフィックのゲーム制作ができる
  • 制作したゲームを公開、販売できる
  • 様々なプラットフォームへ対応している

美しいグラフィックのゲーム制作ができる

近年のゲームは現実世界と見比べても、どちらがゲームか判別できないほど美しいグラフィックを持っています。

一見すると高度な知識を必要としそうですが、Unreal Engineでは数多く存在するゲームエンジンの中でもトップレベルのグラフィックを作成できます。

現実世界に近い3DCGはもちろん、アニメのようにデフォルメされたデザインにも対応しているため、幅広い表現が可能です。

また、光の表現や物体の再現性といったグラフィック性能が優れており、光の照り返しなどの複雑な処理もUnreal Engineが自動処理します。

高品質のグラフィックを簡単に実現できることは、開発者の負担を軽減し作成時間の削減に繋がるでしょう。

制作したゲームを公開、販売できる

せっかく制作したゲームですので、個人で遊ぶだけでは勿体ないと感じるはずです。

当然ですが、多くの人々に遊んで欲しいと思うのがクリエイターとしての気持ちでしょう。

Unreal Engineで制作したゲームは公開、販売することが可能です。

公開できる媒体についてもSteam、Epic GamesストアやGoogle Playストア、App Storeなど幅広く対応しています。

自分のペースで自由にゲーム制作が可能であり、最終的には世界中に公開できることは大きな魅力です。

今後大きなゲーム開発に関わりたいと考える人であれば、公開したゲームは実績の一つとして強力でしょう。

もちろん、販売数が伸びれば大きな収益になることも考えられます。

様々なプラットフォームへ対応している

現在は様々なプラットフォームが各企業から提供されているため、制作を検討する方の環境も多岐に及びます。

ゲームを開発したいと考えた時に、自身が所有するプラットフォームとゲームエンジンの互換性がないとなると、無駄な出費が発生してしまいます。

しかし、Unreal Engineは複数のプラットフォームに対応しているため、ほとんどのユーザーが所有する環境に導入できるでしょう。

WindowsやMacはもちろん、Linux、iOS、Android、PlayStation、Xbox、Nintendo Switchなどに対応しています。

このようにどんな環境にも柔軟に対応できる点も、Unreal Engineが注目される理由の一つなのです。

|Unreal Engineで作られたゲーム5選

それでは、実際にUnreal Engineを利用して作られたゲームを5つ紹介します。

どれも人気のあるゲームばかりですので、プレイしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

Fortnite

出典:https://store.epicgames.com/ja/p/fortnite

「Fortnite」は、Unreal Engineの提供会社であるアメリカのEpic Games社がリリースしたオンラインゲームです。

世界的にも大きな人気があり、大人から子どもまで幅広い年代が楽しめるプレイモードが特徴。

多くのプレイヤーを相手に最後まで生き残ることを目的とする「バトルロイヤル」や、移動能力と武器の扱いが試される「ゼロビルド」、チームで勝利を目指す「世界を救え」など、飽きることなく楽しめるゲームです。

「eスポーツ」として取り上げられることも多いゲームであり、2024年にも賞金総額なんと10億円を超える、大規模な大会が実施されています。

「Fortnite Championship Series (FNCS)」と呼ばれるこの大会は2019年から毎年実施されており、すでに5度目の開催。

現在のゲームシーンの中心に存在すると言っても過言ではないタイトルもUnreal engineを使って作成されたのです。

Fortniteに関するより詳しい内容が知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。

Fortnite(フォートナイト)とは一体何?単なるゲームにとどまらない魅力とビジネス活用事例を紹介
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PUBG

出典:https://www.pubg.com/ja

「PUBG」はオンライン上で複数のプレイヤー同士が対戦する、バトルロイヤルタイプのシューティングゲームです。

孤島や砂漠、密林、荒野など多種多様なマップが存在しており、フィールド上にも数多くの建造物が配置されています。

キャラクターを育成する要素は取り入れられておらず、純粋に自分のプレイスキルと戦術を活かして戦うゲーム性が人気を集めています。

300万人を超える同時接続数を記録するなど、世界で5番目に売れたゲームソフトとしても知られています。

鉄拳8

出典:https://tk8.tekken-official.jp/

ナムコ(現在のバンダイナムコ)が1994年にリリースした対戦格闘ゲームの金字塔「鉄拳シリーズ」の最新作も、Unreal engineを使用して制作されています。

2024年1月に発売された本作は、前作からなんと10年近くの期間を経てリリースされました。

Unreal engineの最新バージョンである「Unreal engine5」によって制作された初めての格闘ゲームであり、その高い機能性が感じられる作品になっています。

タイトルの魅力である豊富なキャラクター、そして美しいステージはUnreal engineの機能を最大限引き出しているといえるでしょう。

本作はPlayStation5、Xbox、PCと幅広いハードで利用可能。

現時点でアーケード版の稼働は未定になっており、今後の動向に注目が集まっている。

8番出口

出典:https://store.steampowered.com/app/2653790/_/?l=japanese

「8番出口」は2023年11月、KOTAKE CREATEと呼ばれる個人がリリースした作品です。

プレイ時間は15分〜1時間程度と短いですが、その奥深さからネット上で大きな話題を集めました。

リリース時点ではPCのみでのプレイでしたが、その人気の高さから2024年4月にNintendo Switch版が登場。

より多くのプレイヤーからの支持を集めることになったのです。

ゲーム自体は地下通路を歩きながら、8番出口を探すという単純なもの。

しかし、なかなか脱出することが難しい上に、途中で発生する「異変」からの回避を繰り返す必要があります。

このようにプレイヤーだけではなく、見ている人も楽しめる作品になっていることが人気の秘訣といえるかもしれません。

Dead by Daylight

出典:https://deadbydaylight.com/ja/

Dead by Daylightは2016年に発売された作品です。

オリジナルのプロトタイプはUnreal engineではなく、別のエンジンが使用されましたが、アニメーション面などから当時の最新版であった「Unreal engine4」に乗り換えられました。

Unreal engineが得意とする一人称視点のゲームであり、殺人鬼役のプレイヤーから逃げることが目的。

逃亡者と殺人鬼の駆け引きが魅力の作品であり、チームで協力しながら生き延びるために行動します。

まるでホラーゲームに入り込んだかのような世界観が魅力の、現在でも人気の高い作品です。

|ゲーム以外にも利用されるUnreal Engineの活用事例

Unreal engineはゲーム以外の分野にも活用されています。

こちらではその中から、以下の事例を紹介します。

  • 宇宙開発
  • 建築
  • 医療
  • 映像
  • 自動車

宇宙開発

宇宙開発で有名なアメリカ航空宇宙局、通称「NASA」においてもUnreal Engineは活用されています。

「Mars 2030 Editor」では、誰でも火星探検を体験できるための仮想空間をUnreal Engineによって構築しています。

この仮想空間を利用してプレイヤーは実際に火星を歩くことや、火星探査車を運転するなどの疑似体験が可能です。

他にも仮想空間で宇宙を再現し、実際の宇宙飛行士の訓練に役立てています。

NASAは最先端技術のシステム導入に積極的な姿勢をみせており、宇宙空間の探索訓練は基本的にゲームのようなものであると語っています。

日々の訓練目標を達成しやすい要素が搭載されているUnreal Engineは、今後の宇宙開発に大きく役立つことが考えられるでしょう。

建築

建築業界では、Unreal Engineをベースとした3DビジュアライゼーションソフトウェアであるTwinmotionが活用されています。

VRコンテンツやシミュレータの制作、開発を手掛ける株式会社キャドセンターでは、このTwinmotionとUnreal Engineを利用することで、不動産PRを目的としたビジュアライゼーション作成や、都市計画を実現するための3D都市を構築しています。

さらに、不動産の内見をデジタルジオラマで実施するなど、遠方の顧客が相手でも商談時に具体的なイメージを抱いてもらいやすい環境を実現しているのです。

このように、図面だけでは伝えにくい部分をUnreal Engineによる3D技術によって補うことで、建築や不動産業界に大きく貢献しています。

医療

Unreal Engineは病気や依存症に対する治療法の開発にも貢献しています。

医薬品の研究開発を行なっているC4X Discoveryは、Unreal Engineによるゲーム制作の技術を用いて、現実世界に大きな影響を与える医薬品を仮想空間において開発しているのです。

これは新薬の構想から市場投入までのプロセスをより迅速に進めるための手段として活用されており、複雑な分子の動きも表現可能なのです。

分子の3Dモデルを仮想空間上で操り、様々な角度で調査するといった、従来では到底不可能な形での分析が実現しています。

この手法は医薬品の発見方法を大きく変化させるだけではなく、科学と医薬品設計に対する我々の考えを一変させるかもしれません。

映像

前述したように、Unreal Engineでは高いレベルの3Dアニメーションの制作が可能です。

そのため映画などの映像作品の現場でも利用されることがあります。

例えば、韓国のビデオ制作サービス会社「WYSIWYG STUDIOS」では、SF映画の制作におけるプレビズ(Pre Visualization)にUnreal Engineが使用されています。

CGのクオリティが求められるといわれるプレビズですが、Unreal Engineを使用することで品質の向上が実現したといわれています。

さらに、制作チーム全体での構成確認が容易になり、スムーズな制作環境の実現とコスト削減に繋がりました。

自動車

Unreal Engineは自動車製造の現場でも利用されています。

世界的な自動車メーカーであるBMWでは、設計から生産計画、販売に至るまでの各部門においてUnreal Engineの活用が進められているのです。

さらに、製品やブランドをリアルタイムのデジタル3Dで表現することが、これからの標準的なプレゼンテーションにあると主張しています。

実際、オンラインで利用できる自動車のイメージ画像については、ほとんどが3D画像を利用したものになっています。

開発面でも、リサーチの時間と工数が従来よりも低コストになるだけではなく、作業スピードもあがるでしょう。

他メーカーへの展開も十分に考えられるため、Unreal Engineは自動車業界においても重要なソフトとなるはずです。

|まとめ

Unreal Engineについての概要から、ゲーム制作における特徴について解説しました。

また、ゲーム制作にとどまらず、幅広い業界においてもUnreal Engineは活用されています。

従来では膨大な費用が発生していた工程でも、仮想空間上で行うことで大幅なコスト削減が期待できるでしょう。

日常生活においては、これまでにない速度でオンライン化が進んでいることから、実際のコミュニケーションの希薄さが課題として取り上げられています。

しかしメタバースを活用することで、これまでになかった人との接点が生まれ、これらの課題を解決すると期待されているのです。

Unreal Engineではゲーム制作に留まらない可能性を秘めています。

これからもますます活躍の幅を広げることが考えられますので、興味のある方はぜひ一度利用してみることをおすすめします。