VR内見とは、最新のテクノロジーを駆使して、現地に足を運ばずに物件や施設の内部を360度自由に見渡せるようにするサービスです。

コロナ禍以降、不動産業界や建設業界を中心に多く活用されています。

本記事では、VR内見の導入メリットや注意点、必要な機材からおすすめのサービスまで、徹底的に解説していきますので是非最後までご覧ください。

|VR内見とは?

「VR内見」とは、Virtual Reality(仮想現実)技術を使って、物件や施設の内部を360度自由に見渡せるようにするサービスです。

これにより、実際に物件や施設に足を運ばなくても、まるでそこにいるかのような臨場感を味わいながら、空間を自由自在に探索することができます。

VR内見は、不動産業界や建設業界をはじめ、さまざまな業界で活用されています。

例えば、不動産の物件案内や、建設中の工事現場の見学、イベント会場の事前下見などに活用されています。

VR内見は、高度な技術を要するため、専用の機材やソフトウェアが必要となります。

しかし、その分、多くのメリットがあり、業界内で注目されているサービスです。

VRとは?

「VR」とは、Virtual Reality(バーチャルリアリティ)の略称で、仮想現実を意味します。

VRは、コンピュータグラフィックスやセンサー技術、映像技術、音響技術などを組み合わせ、人工的に作り出された現実空間にユーザーが没入する技術です。

VRを利用することで、現実では不可能な場所や体験を仮想現実空間で実現することができます。

VRの活用は、エンタメやゲームにとどまらず、医療や教育、ビジネスなど多岐にわたっています。

また、VR技術を用いたコンテンツ制作やVRプログラム開発など、VRに関するスキルを持つ人材の需要も高まっています。

VR(仮想現実)とは?ARやMRとの違い、仕組み、メリット、できることをわかりやすく解説!
VR(仮想現実)とは?ARやMRとの違い、仕組み、メリット、できることをわかりやすく解説!

|VR内見の特徴

「VR内見」は、物件や施設の内部を360度自由自在に見渡すことができるサービスです。

このサービスは、VR技術を活用することで、現地に行かなくても臨場感ある内見を可能にしています。

VR内見は、不動産会社をはじめ、建設業界やイベント業界などでも利用されており、物件や施設の紹介において重要な役割を果たしています。

VR内見には、特別な機材やソフトウェアが必要ですが、最近では安価で高性能な機材も市場に出回っており、多くの不動産会社が導入する傾向にあります。

物件動画は、専用のカメラで撮影され、スマートフォンやVRゴーグル、VRグラスなどを使って内見を行います。

また、機器を使わずに、ウェブ上で360度の3D物件映像を自由自在に見ることも可能です。

|VR内見のメリット

ここからは、VR内見のメリットを紹介します。

反響率と成約率の向上

VR内見を提供することにより、物件や施設の内部を臨場感のある映像で見ることができます。

これにより、現地に行かなくても実際に物件を体験するような感覚を得ることができます。

また、360度自由自在に見渡せるため、より詳細な情報を収集することができます。

これにより、物件に関心を持った人が増え、反響率がアップすることが期待できます。

また、VR内見は物件や施設の魅力をより効果的に伝えることができます。

通常の写真や動画では伝えきれない、空間の広がりや立体感を実感できるため、魅力がより伝わりやすくなります。

これにより、見学や説明会に参加する前に、物件や施設に対する理解が深まり、成約率がアップすることが期待できます。

完成イメージを見ることができる

VR内見は、建物が完成する前の段階でも、内装や設備の完成イメージを詳細に見ることができます。

通常の内見では、建物の完成前には内部を見ることができませんが、VR内見を利用すると、実際に建物が完成した後と同じように、内装や設備のイメージを見ることができます。

このメリットによって、顧客は実際の部屋のイメージをより具体的に把握することができます。

そのため、VR内見は、建物完成前に将来の住まいを想像するのに役立ち、顧客が納得した状態で物件を購入することができるようになります。

これは、不動産会社や建築業者にとってもメリットがあります。

建物が完成した後に、内装や設備の変更を依頼されるリスクを減らし、購入意欲の高い顧客を獲得することができます。

コスト削減

VR内見を導入することで、不動産会社や建築業者は、従来の実際の内見にかかるコストを削減することができます。

通常の内見では、不動産会社は物件の準備や案内人の手配、およびお客様との交通費や宿泊費などの費用がかかります。

また、物件が遠方にある場合は、営業マンが移動する必要もあります。

しかし、VR内見を導入することで、これらのコストを大幅に削減することができます。

VR内見を利用することで、不動産会社は物件の内部をオンラインで見せることができ、物件を訪れる必要がなくなります。

また、VR内見は、複数のお客様が同時に内見を行うことができるため、同じ物件に対する内見を短時間で済ませることができます。

さらに、VR内見に必要な機材は、最近では低価格で入手できるようになっており、従来の内見に比べて導入コストが低くなっています。

そのため、VR内見は、コスト削減に貢献するだけでなく、不動産会社や建築業者にとっては、ビジネスの効率化にもつながるとされています。

オーナー募集や空室対策につながる

VR内見を導入することで、オーナー募集や空室対策につながるとされています。

まず、オーナー募集においては、VR内見を導入することで、物件をより魅力的に紹介することができます。

物件の内部をVRで見せることによって、遠方に住むオーナー候補や、忙しい人々にもリアルな内見体験を提供することができます。

また、物件の空室対策においても、VR内見を利用することで、物件の魅力をより効果的にアピールすることができます。

例えば、内見に来ることができないお客様でも、VR内見で物件の魅力を確認することができるため、物件の入居希望者が増える可能性があります。

さらに、VR内見は、空室が発生した場合にも有効です。

通常、空室が発生すると、物件を内見するために来店するお客様が減少し、入居率が下がることがあります。

しかし、VR内見を導入しておけば、物件を内見することができるため、空室が発生しても、物件の魅力を伝えることができます。

また、空室が発生した場合でも、VR内見を通じて、新たな入居者を獲得することができる可能性があります。

|VR内見のデメリット

VR内見は、便利なサービスではありますがデメリットも存在します。

自分の目や感覚を使って物件を確認することができな

実際に自分の目や五感を使って物件を確認できないことは最も大きなデメリットと言えます。

設備の高さや大きさも具体的には感じづらく、陽当たりや風通し、匂いといったものも映像を通してでは感じることができません。

物件の共用部、周辺環境が確認できない

VR内見は、部屋の内部を撮影したものになるため、物件の外や共用部の確認をすることはできません。

物件の管理状況や周辺環境は物件を選ぶ際にも重要な要素と言えます。

| VR内見に必要な機材

ここからは、VR内見に必要な機材を紹介します。

360度カメラ

VR内見において360度の映像を撮影するには、専用の360度カメラが必要です。

360度カメラは、単眼カメラが複数個並べられたものや、魚眼レンズが360度に広がる球体の中心に配置されたものなど、いくつかの種類があります。

一般的には、魚眼レンズを備えたカメラが使われます。

魚眼レンズは、広角レンズよりも広い画角を持ち、360度全方位を撮影できるため、VR内見に最適です。

撮影した映像は、カメラ内部で自動的に繋ぎ合わせられ、360度のパノラマ映像が作成されます。

また、360度カメラは、手のひらサイズのものから大型のものまで、様々なサイズがあります。

小型のものはスマートフォンに接続して使用できるものもあり、持ち運びが容易なため、不動産業者や個人でも手軽にVR内見の映像を撮影できます。

ただし、360度カメラを使用する場合、カメラの位置や高さなど、撮影環境にも注意が必要です。

また、映像の編集にも時間がかかるため、事前に撮影の計画やスケジュールを立てておくことが重要です。

一脚

VR内見に必要な機材として、一脚が挙げられます。

一脚は、カメラや撮影機材を固定するための三脚のようなもので、一本の脚があります。

360度カメラを使ったVR内見の場合、カメラを固定して撮影する必要がありますが、手で持って撮影すると揺れてしまったり、安定した撮影ができなかったりすることがあります。

そこで、一脚を使ってカメラをしっかりと固定し、安定した撮影を行うことが重要です。

一脚には、高さの調整や角度の調整ができるものや、脚が曲がるものなど様々な種類があります。

また、持ち運びがしやすい軽量なものや、耐荷重が大きいものなど、用途に合わせて選ぶことができます。

VRゴーグル

VR内見に必要な機材として、VRゴーグルが挙げられます。

VRゴーグルとは、スマートフォンやPCなどのデバイスと接続し、360度映像や3D映像を見ることができるヘッドマウントディスプレイのことです。

VR内見では、360度映像や3D映像を見て物件内部をリアルに体感することができます。

スマートフォンやPCで映像を見る場合は、マウスやタッチパッドを使って映像を操作する必要がありますが、VRゴーグルを使うと、頭を動かすだけで360度映像を自由に見回すことができます。

そのため、より没入感のある体験が可能となります。

VRゴーグルには、スマートフォンをセットするものや、PCに接続するタイプなどがあります。

また、価格帯も様々で、低価格なものから高機能で高価なものまで、多種多様な製品が存在していますので、用途や予算に合わせて選ぶことが大切です。

|VR内見サービス5選!

ここからは、VR内見サービスをいくつかご紹介します!

THETA 360.biz

出典:https://www.theta360.biz/

リコーの「RICOH THETA」という360°カメラを使用することで、撮影した画像をクラウドに保存し、自社サイトに360°画像のプレイヤーを埋め込むためのHTMLコードを簡単に取得することができます。

この機能により、特別なアプリを使用せずに誰でも簡単に360°画像を閲覧することが可能となります。

さらに、営業担当者は自分のPC画面で同じ映像を見ることができるため、お客様がVR内覧をしている間に説明を行うことができ、効率的な接客が可能となります。

24時間のサポートを受けることもできるので安心して使用できます。

NURVE(ナーブ)

出典:https://www.nurve.jp/

ナーブは、クラウド上でVRコンテンツを作成するソフトを提供しており、独自の撮影アプリを導入することで、品質のばらつきや白飛び・部屋が暗く見えるといった問題点を解決しています。

このソフトウェアを使用することで、営業担当者はPC画面でお客様と同じ映像を見たり操作できるため、接客がしやすくなっています。

また、VRホームステージングというオプションもあり、室内の映像に家具のCGを配置することができます。

また、ナーブ社は2020年3月31日に「おうちでVR内見」のサービスを開始しました。

このサービスは、自宅から出ることなく物件の内見が可能であり、遠方に住んでいる人や、忙しい人々のために設計されています。

不動産会社はVRキットの送付依頼と物件情報をナーブ社に送信し、ナーブ社がエンドユーザーにVRキットを送付します。

このサービスにより、エンドユーザーは家にいながら内見ができるため、内見数の増加に繋がることが期待できます。

Spacely(スペースリー)

出典:https://info.spacely.co.jp/

一般的な360°カメラで撮影した写真を使って、直感的な操作で高品質なVRコンテンツを制作・編集することができます。

このソフトは、滑らかな動きや高品質の画像処理を特長としており、簡単にオンライン埋め込みができます。

さらに、このソフトを利用するための自社オリジナルのゴーグルも提供しており、コンパクトで軽量な140グラムのゴーグルは1,800円(税込)で購入可能です。

このゴーグルはスマートフォンに取り付けて利用することができます。

また、初めて導入する場合には、初回無料出張撮影レクチャーや電話、メールによるサポートを受けることもできますので、安心して導入することができます。

ZENKEI360

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000016706.html

ZENKEI360では、物件の間取りや写真が用意できれば、専用の管理画面から物件を簡単に登録できます。

RICOH THETAを使って撮影した360°空間画像は、アップロード時に自動的にパノラマ変換されます。

Webブラウザ上でAdobe Flashが使えなくなっても、HTML5プレイヤーを使用するため、ビューアーの視聴に問題はありません。

RICOH THETA(リコー シータ)

出典:https://theta360.com/ja/

RICOH THETAは、全方位を撮影可能なカメラで、宿泊施設や建設現場、飲食店など幅広い業界で利用されています。

不動産業界でも、一度のワンプッシュで物件全体を撮影できるため、撮影に必要な時間やコストを削減できます。

また、360°カメラを活用した内見サービスが増加している中、RICOH THETAは、高画質かつスムーズな映像で内見を提供することができるため、注目されています。

| VR内見の注意点

最後にVR内見の注意点を紹介します。

全ては伝えられない

現状では、まだまだ内見をゼロにすることは現実的ではありません。

なぜなら、物件の手触りや温かみ、環境など、実際に現地で確認しないと分からない部分も多いためです。

また、多くのお客様は、実際に内見をして安心感を得てから物件を決める傾向にあります。

VR内見は、実際の内見では確認しにくい部分を分かりやすく表示することができます。

しかし、VR内見だけに頼るのではなく、現地での内見も重要です。

お客様が物件を決定する際には、VR内見を補助的なツールとして活用し、現場での内見で手触り感や環境などを確認してもらうことが必要です。

効率的な物件決定をサポートするために、VR内見と現場内見をバランスよく活用する姿勢が重要です。

VR酔い

VR内見は強制するものではありません。

VR内見をすることで車酔いのような悪い気分を味わってしまう方や、衛生面やお化粧が崩れることを気にしてVRゴーグルを嫌がる方もいます。

そのため、無理にVRを勧めるのではなく、お客様の嗜好や状況に合わせて、タブレットやPCで見られる360度物件全体が見渡せるコンテンツを提供することも重要です。

お客様に合った接客を心がけることが、VR内見の有効な活用につながるでしょう。

|まとめ

いかがでしたか?

本記事では、VR内見の導入メリットや注意点、必要な機材からおすすめのサービスなど網羅的にご紹介しました。

VR内見は、様々なメリットがありコロナ禍以降も導入する企業が多くいます。

一方でVR酔いや、実際に内見をしてから納得して物件を決めたい方もいますので、VRとリアルの活用バランスが重要になるでしょう。

顧客に寄り添ったサービス提供があなたのビジネスを加速させるポイントになります。

では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!