「CloudXRって最近聞くけど何ができるの?」
「CloudXRはどのようなビジネスシーンで活用されてるの?」
CloudXRとは、NVIDIAが提供している「クラウド上で描画したAR/VRコンテンツを5G回線やWi-Fiを介して配信する」というサービスで、注目を集めています。
この記事では、CloudXRの特徴や技術、VR・XR・ARの違い、CloudXRの使い方、そして活用事例を解説しています。記事を読むことで、CloudXRの利用方法やビジネスシーンでの活用方法がすぐに理解できます。
スキマ時間で読み切れる内容になっているので、ぜひこの機会にCloudXRについて知識を深めてください。
目次
|CloudXRとは?
CloudXRは、NVIDIAより提供されており、クラウド上で描画したAR/VRコンテンツを5G回線やWi-Fiネットワークを介して配信するサービスです。
この章では、CloudXRをより深く理解するために、CloudXRの特徴とVR・ XR・ ARの違いについて詳しく説明します。
- CloudXRの特徴や技術
- VR, XR, ARの違い
CloudXRの特徴や技術
CloudXRとは、NVIDIAのサービスで、インターネットを通じてAR(拡張現実)やVR(仮想現実)のコンテンツを手軽に楽しむことができます。
以下にその特徴を簡単に説明します。
- ケーブル不要の高品質な体験: CloudXRを使うと、コンピューターやゲーム機にケーブルをつながずに、高品質なAR/VR体験ができます。
- 高性能な映像処理: NVIDIAの高性能グラフィックス技術を活用し、映像の品質や動きが滑らかで、遅延やカクツキが少ない体験ができます。
- 5Gネットワークとの連携: 5Gの高速で遅延の少ないインターネット接続を利用することで、さらに高品質なAR/VR体験ができます。
- 複数のユーザーに対応: CloudXRは、複数のユーザーが同時にAR/VR体験を楽しむことができるように設計されています。
CloudXRを使うことで、高性能なPCやスマホがなくても、高品質なAR/VRコンテンツを手軽に楽しむことができます。
また、3Dキャラクター制作などのクリエイティブな作業も、VR環境で行うことができます。
VR, XR, ARの違い
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)は一般的によく耳にする用語ですが、XR(拡張現実)はあまり耳にしないかもしれません。ここで、それぞれの違いを明確にしておきましょう。
VR(Virtual Reality)は、完全に仮想の世界を体験する技術です。
ヘッドセットなど専用機器を使用し、現実世界とは別の環境に没入することができます。
主にゲームやシミュレーションで使用されます。
AR(Augmented Reality)は、現実世界にデジタル要素を追加・重ねる技術です。
スマートフォンやタブレット、スマートグラスなどのデバイスを使い、現実世界に情報やアニメーションを表示することができます。例えば、ポケモンGOなどのゲームはARの代表例です。
XR(Extended Reality)は、VRとARを統合した総称で、仮想現実と現実世界が融合した体験を提供します。
XRは、現実世界と仮想世界の境界を曖昧にし、より自然なバーチャル体験が可能になる技術です。教育、医療、エンターテイメントなど、幅広い分野で利用されています。
|CloudXRを使うには?
CloudXRは、NVIDIA社のAR/VR向けクラウドレンダリングサービスです。
ここでは、CloudXRの利用手順を解説します。
ステップ1:必要なデバイスとアプリケーションの準備
ステップ2:レンダリングサーバとXRデバイスの接続
ステップ3:デバイスで視聴を開始
ステップ1:必要なデバイスとアプリケーションの準備
まず、以下のデバイスとアプリケーションを用意します。
①レンダリングサーバ
- CloudXR Server用のSDK
- SteamVRアプリケーション
- OpenVR向けにビルドされたXRアプリケーション
②XRデバイス(Oculus Quest2やHoloLensなど)
- CloudXR Clientアプリケーション
準備が出来たら、次のステップに進みます。
ステップ2:レンダリングサーバとXRデバイスの接続
レンダリングサーバとXRデバイスを接続するには、以下の手順で進めます。
- レンダリングサーバの設定:CloudXR Server用のSDKをインストールし、必要な設定を行います。これには、サーバーのIPアドレス、ポート番号、および接続プロトコル(例: TCP/UDP)が含まれます。
- XRデバイスの設定: XRデバイスにCloudXR Clientアプリケーションをインストールします。アプリケーションを起動した後、レンダリングサーバのIPアドレス、ポート番号、および接続プロトコルを入力します。これにより、XRデバイスがレンダリングサーバに接続できるようになります。
- ネットワーク環境の確認: レンダリングサーバとXRデバイスが同じネットワークに接続されていることを確認してください。これには、Wi-Fiルーターやイーサネットスイッチを介した接続が含まれます。また、インターネット接続が安定していることを確認してください。
- ファイアウォール設定の確認: レンダリングサーバおよびXRデバイスのファイアウォール設定を確認し、CloudXR ServerとClient間の通信がブロックされないようにしてください。必要に応じて、ファイアウォールの例外設定を追加します。
これらの手順を完了すると、レンダリングサーバとXRデバイスが接続され、映像のストリーミングが可能になります。
次に、Step 3で説明したデバイスの視聴を開始する手順に進みます。
ステップ3:デバイスで視聴を開始
以下の手順にて、デバイスで視聴を開始できます。
- レンダリングサーバでSteamVRを起動します。
- XRデバイスでCloudXR Clientを立ち上げます。
- レンダリングサーバでXRアプリケーションを起動します。
視聴中には、CloudXR ServerからCloudXR Clientへ映像・音声・Hapticsを送信し、CloudXR ClientからCloudXR ServerへHead pose・コントローラーのインプット情報・QoS(映像の質をコントロールする情報)を通信します。
これらの手順を踏むことで、CloudXRを活用したAR/VR体験を楽しむことができます。
|CloudXRを活用したビジネス事例
AR/VRが世界的に注目されるにつれて、2つを組み合わせたXR技術も同時に注目されています。
その流れの中で、CloudXRの技術を利用する企業も多くなってきています。
この章では、CloudXRが実際のビジネスシーンでどのように活用されているのかを把握するために、2つの活用事例を通してCloudXRへの理解を更に深めていきます。
- 活用事例1:Omniverseの拡張
- 活用事例2:Hyperbat社
活用事例1:Omniverseの拡張
NVIDIAは、Omniverseプラットフォームを拡張するために、自社のCloudXR技術を導入しました。
Omniverseは、AR・VR・マルチGPUレンダリングなどの機能を利用して、現実世界と仮想世界をつなぎ合わせるプラットフォームです。
CloudXRとOmniverseの統合により、OmniverseのユーザーはモバイルのARおよびVRデバイスでリッチな3D体験を手軽に楽しむことができるようになりました。
Omniverseは、ロボットや自動車の設計やトレーニングにも活用されていましたが、CloudXRの導入により、デジタルツインをVRデバイスを通じてリアルタイムで視覚化し、より緻密な設計やシミュレーションがしやすくなる効果も実証されています。
CloudXR技術の導入により、700以上の大手企業がOmniverseをリモートでのコラボレーションやプレゼンテーションに活用していくことが見込まれています。
活用事例2:Hyperbat社
Hyperbatは、英国最大級の車両バッテリー製造業者の一つで、最新の5G技術を使って、ハイブリッド車や電気自動車の生産プロセスを加速させる事業を展開しています。
同社は、自社の技術とCloudXRを活用することで、リアルの世界とデジタル世界をつなぎ、地理的に離れたチームを接続することに成功しています。
また、VRヘッドセットを使用し、クラウド上でデータ処理を行うことで、高品質なVR体験を実現することにも成功しています。
成果として、5Gとデジタル技術が英国経済や産業を活性化し、効率を高め、イノベーションを促進することが実証されています。
また、AIやAR、VRの活用によって、産業が変革され、組織が取り組む方法や生産する製品、社会全体に与える利益が革新されたとのことです。
このように、CloudXRは世界中のあらゆる産業で協力や共同作業の方法、コラボレーションの仕方を根本的に変えることが期待されています。
|まとめ
この記事では、CloudXRの概要や特徴、使い方、活用事例について詳しく解説しました。
CloudXRは、AR/VRの分野で革新的な技術を提供しており、多くの企業やクリエイターが活用することで、さらなる可能性が広がっています。
今後の展望としては、5Gの普及に伴い、より高品質なコンテンツが手軽に楽しめるようになることが予想されます。
この記事を通して、CloudXRの概要や使い方、ビジネス事例の理解が深まり、ビジネスやプロジェクトに役立つことを願っています。
CloudXRの技術を活用し、新たな価値を創造する一助となれば幸いです。