Unreal Engine 5は、数多くのゲーム制作に利用されてきたゲーム開発エンジンです。
またゲーム制作だけでなく、さまざまなコンテンツを制作する際にも活用されています。
高グラフィックなゲーム・3DなどをUnreal Engine 5で制作するにはどのぐらいのスペックが必要なのか、どんなPCがおすすめなのか、知識がないとわからないですよね。
本記事では、Unreal Engine 5 をこれから利用したいと考えている人向けに、推奨スペックやおすすめPCの情報を提供していきます。
目次
|Unreal Engineとは
Unreal Engine(アンリアルエンジン)とは、アメリカの企業「Epic Games(エピックゲームズ)」が開発・提供しているゲームエンジンです。
2022年4月6日に、よりグラフィックが強化されたUnreal Engine5がリリースされています。
Unreal Engineは多数のゲーム開発に使用されています。
例えば、以下のようなものがあります。
- ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
- PUBG
- ストリートファイターV
- ヨッシークラフトワールド
- VALORANT
- 電車でGO!!
Unreal Engineは、一部有料のものがありますが、基本的にすべての機能を無料で利用することができます。
また、Unreal Engineはプログラムをゲームに視覚的に追加していくブループリントという機能があり、プログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作することができます。
さらに、さまざまな種類のテンプレートが用意されており、土台ができた状態から作品制作を開始することができます。
Unreal Engine最大の魅力は高品質なグラフィックです。
複雑なオブジェクトを作品に使用でき、また、光の加減等もリアルに表現することができます。
|Unreal Engineでできることは?
Unreal Engineは3Dゲーム開発だけでなく、他のコンテンツにも活用されています。
例えば、映画、建築、自動車、ライブイベント、シミュレーション等、幅広い分野で活用されています。
今回は、ゲーム開発、メタバース制作、3DCG制作についてご紹介します。
ゲーム開発
Unreal Engineでは、3Dゲーム制作ができます。
ブループリントというプログラムを視覚的に追加していくシステムを使用することで、プログラムの知識や経験がない人でもゲーム開発を行うことができます。
実際に、Unreal Engineで制作されたゲームを紹介します。
FORTNITE
「FORTNITE(フォートナイト)」はUnreal Engineを開発・提供しているEpic Gamesが2017年にリリースしたオンラインゲームです。
2020年時点で登録プレイヤー数が3億5000万人を突破しており、世界的大人気ゲームとなっています。
二ノ国:Cross Worlds
「二ノ国:Cross Worlds」はゲーム制作会社のレベルファイブとアニメーション制作会社のスタジオジブリにより制作されたMMORPGゲームです。
シーケンサーやブループリントなど、Unreal Engineのツールを活用して制作され、高品質なグラフィックが特徴となっています。
メタバース制作
Unreal Engineは、メタバースを制作することができます。
メタバース制作に必要な3Dモデル(ワールドや建築物、プレイヤーが操作するアバター)はUnreal Engineで作成することができます。
また、Unreal Engineでは作成したアバターに歩いたり、ジャンプしたりできるモーションを追加したり、3Dオブジェクトにエフェクトを追加したりすることができます。
高品質なグラフィックが特徴であるため、より繊細な表現をしたいときにUnreal Engineを利用することをお勧めします。
3DCG制作
Unreal Engineでは3DCGの空間内で3Dオブジェクトを配置し、動きを加え、その動きに合わせてカメラを動かすことで、映像を制作できます。
制作した映像は、ほかの作品に使用したり、動画サイトにアップロードしたり、映画に使用したりできます。
またメリットとして、従来のCG制作と比べて、短期間で制作できるといった点が挙げられます。
また、マーケットプレイスにある無料のアセットを使用することで3Dモデルを制作しなくても3DCGを制作できます。
|Unreal Engine 5の推奨スペックは?
Unreal Engine 5を動作させるために推奨とされているPCのスペックを説明します。
オペレーティングシステム(OS):Windows 10 64-bit
プロセッサ(CPU):Quad-core Intel IntelまたはAMD、2.5 GHzまたはそれ以上のプロセッサ
メモリ:8GB RAM
ビデオカード/DirectX Version(GPU):DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード
ストレージ:SSD搭載を推奨
上記に書かれているPCスペックは、あくまでも「最低限」Unreal Engineを動作できるスペックです。
本格的なゲームや高品質なグラフィックを使用した3DCG、オープンワールドの世界など容量が大きな作品を制作する場合は、このスペックより性能が高いものでないと、動作が重くなってしまいます。
Unreal Engineを快適に利用するためには、公式が提示している推奨スペックより性能が高いPCが必要になります。
|Unreal Engine 5のおすすめスペックは?
Unreal Engine 5の推奨スペックは分かったけど、おすすめのスペックがわからないという方もいると思います。
そこで、快適に動作できるPCを選ぶ際に大事な要素の4つのパーツ「CPU」、「GPU」、「ストレージ」、「メモリ」を紹介していきます。
CPU
CPUはPCの頭脳と言われていて、CPUの性能がPC全体の性能に影響を及ぼす重量なパーツです。
主に、周辺機器からデータを受け取り、PC上で計算処理や制御を行っています。
CPUの仕様について、主に大事な項目が3つほどあるので紹介します。
- コア数
コアはCPUのメインのデータ処理を行う部品であり、コア数が多いほど、複数の処理を並列で行うことができます。
- クロック数
CPUのデータ処理の速度を示すものであり、クロック数が高いほど、同じ時間で多くの処理ができます。
- スレッド数
仮想コア数を示しており、スレッド数が多いほど、より効率的に処理を行うことができます。
Unreal Engineを快適に利用するためには、Intel製であればCore i7-12700以上、AMD製であればRyzen 7 5800X以上を搭載したPCを選ぶのがおすすめです。
GPU
GPUとは主に、「グラフィックボード」や「グラボ」と呼ばれている部品です。
GPUはPCの目と言われており、3Dグラフィックスや画像、動画をモニターに描画する際に必要な処理を行うパーツです。
高画質な3Dグラフィックを扱う作品を制作したいのであれば、最低でもRTX3060Ti以上のグラフィックボードがおすすめです。
グラフィックボードのスペックが足りない場合、映像が止まってしまったり、飛んでしまったり、重くなってしまったりする場合があります。
その場合は、RTX3090やRTX3090Tiといった高性能のグラフィックボードが必要になります。
Unreal Engine 5は高品質なグラフィックが特徴であるため、GPUにはたくさんの処理負担がかかります。
GPUを選ぶ際には、こだわりや余裕を持つことをおすすめします。
ストレージ
ストレージはPCの記憶装置と言われており、データを保存する役割を持っているパースです。
ストレージは、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、DVD、USBメモリのことを指します。
今回はHDDとSSDについて紹介していきます。
HDD
内部で回転している円盤にデータを書き込み、読み出しを行うパーツです。
容量が大きいことや単価が安いことから、多くのPCに内蔵されています。
しかし、読み書きに時間がかかったり、衝撃に弱かったりします。
SSD
メモリーチップに記録、読み出しを行うパーツです。
読み込み速度がHDDより早く、OSやアプリケーションの処理がとても速くなります。
しかし、HDDと比べると価格が高いです。
メインストレージにNVMe接続の高速SSDを使用し、HDDに素材を保存するといった方法がおすすめです。
メモリ
メモリは、PCの主記憶を担当しており、作業中のデータやプログラムを一時的に保存するパーツです。
メモリは「主記憶装置」や「一次記憶装置」と呼ばれ、CPUとその他の記憶装置の仲介役を行っています。
処理が必要なデータやプログラムがたくさんある場合、メモリの容量が多いほど、同時に作業できる量が増え、効率的に処理することができます。
Unreal Engine 5ではメモリを多く使用するため、最低限の容量のメモリが必要になります。
必要な容量のメモリがない場合、作業中にフリーズし、制作していたものが消えてしまったり、動作が重たくなったりします。
最低でも16GBのメモリが必要です。3DCGモデリングを自分で作成したり、大規模な作品を制作したりする際は、32GBのメモリの搭載をおすすめします。
|おすすめPCをご紹介!
いままではPC内のパーツごとにご紹介していましたが、一つずつ購入して組み立てていくのは、ハードルが高いですよね。
ここからは、Unreal Engine 5を快適に動作させることができるおすすめのPCをご紹介します。
GALLERIA
GALLERIAとは、ゲーミングPCブランドです。
パーツの追加や変更ができ、自分だけのゲーミングPCを作成することもできます。
GALLERIA XA7C-R37
OS(オペレーティングシステム) | Windows 11 Home 64-bit |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-13700F |
メモリ | 16GB |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB GDDR6 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
価格 | 234,980円(税込) |
Unreal Engine 5での基本的な作品の制作を快適にできるスペックのデスクトップPCです。
またゲーミングPCとして十分なスペックを搭載しているので、現在人気のPCゲームを快適に遊ぶことができます。
GALLERIA UL7C-R37
OS(オペレーティングシステム) | Windows 11 Home 64-bit |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-11800F |
メモリ | 16GB |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB GDDR6 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
価格 | 269,980円(税込) |
デスクトップPCはPC本体だけでなく、モニターやマウス、キーボードも購入する必要があるので、高額な予算が必要です。
このゲーミングノートPCだけで、すぐにUnreal Engine 5を利用することができます。
しかし、メインで利用する際には物足りないスペックとなっています。
センス インフィニティ
センス インフィニティとは、PC販売店のユニットコムが制作した次世代のゲーミングPCのレベル インフィニティをクリエイター向けに対応させたCREATINE PCです。
SENSE-M06M-127-RB1X
OS(オペレーティングシステム) | Windows 11 Home [DSP版] |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-12700 |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR4-3200 DIMM (PC4-25600) |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA GeForce RTX 3060128GB GDDR6 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
価格 | 164,800円(税込) |
比較的安価でお手頃価格となっているCREATINE PCです。
Unreal Engine 5内にあるサンプルを動かすことができますが、SSDが500GBしかないので、データの保存面では少し物足りない可能性が高いです。
SENSE-F02B-LCi9XE-NNX
OS(オペレーティングシステム) | Windows 10 Home 64ビット[DSP版] |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i9-10980XE プロセッサー エクストリーム・エディション |
メモリ | 64GB(16GB×4) DDR4-2933 DIMM (PC4-23400) |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA RTX A4500 20GB GDDR6 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
価格 | 679,800円(税込) |
かなり高価なモデルであるため、Unreal Engine 5を動作させるには十分なスペックとなっています。
しかし、先ほどと同様にSSDが足りなくなる可能性が高いです。
購入サイトでパーツを追加することができるので、検討してみてはいかかでしょうか。
raytrek
raytrekとは、パソコン専門店のドスパラがBTO(Built to Order)として制作しているクリエイター向けブランドです。
raytrek MV
OS(オペレーティングシステム) | Windows 11 Home |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-13700F |
メモリ | 16GB |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
価格 | 169,980円(税込) |
かなりコスパの高いPCになっており、Unreal Engine 5を動作させるのに十分なスペックとなっています。
raytrek 4CXF
OS(オペレーティングシステム) | Windows 11 Home |
CPU(プロセッサ) | Intel Core i7-13700F |
メモリ | 16GB |
GPU(ビデオカード/DirectX Version) | NVIDIA GeForce RTX 3070 8GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
価格 | 229,980円(税込) |
3DCGモデルを自作できるほどのスペックを持ったPCとなっています。
細かな3Dモデルを多用しなければ、作業中に重たくなったり、フリーズしたりする可能性は低いです。
|まとめ
今回はUnreal Engine 5の推奨スペックとおすすめPCをご紹介しました。
Unreal Engine 5は作品制作を始めたての人でも利用できるゲーム開発エンジンです。
しかし、Unreal Engine 5を快適に利用するにはそれなりのスペックを内蔵したPCが必要であり、同時に価格も高くなってしまいます。
ですが、高品質なグラフィックの作品を制作できるという魅力はかなり大きいのではないかと思います。
ぜひ、自分に合ったPCを購入して、Unreal Engine 5で作品制作に取り組んでみてください!