「家族が認知症にならないか心配」「自分が認知症にならないために対策をしたい」
年齢を重ねるごとに健康面の不安は大きくなります。
とくに認知症は「最もなりたくない病気」の筆頭です。
そして実は、そんな認知症をVR技術の力で早期に発見する新しい方法があります。
この記事では、MIG社が開発したアルツハイマー型認知症の新たな発見方法について、どのような方法なのか、認知症を発見できる仕組み、特徴などについて詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、VRを用いたアルツハイマー型認知症の発見方法について知ることができ、アルツハイマー型認知症の予防につなげられます。
目次
|MIGが認知症の超早期発見を可能にするVRを開発
近年、アルツハイマー型認知症の超早期発見を可能にする新しい脳機能測定方法「空間ナビ測定VR」が登場しました。
MIG株式会社が提供するこの測定方法は、VR技術を用いており、VRゴーグルを装着してバーチャル空間の中で行います。
【VR】
VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティー)の略称で、コンピューター内に作り出された3D空間です。VRゴーグルを装着すれば、VR空間を360°見渡せて、まるで現実のように行動できます。
アルツハイマー型認知症は、加齢や生活スタイルの影響で誰もがなりうる病気です。
主に40~50代あたりから20~30年かけてひそかに進行していきます。
しかし病気を予防できる最初期の段階では、全く自覚症状がないことに加え、既存の検査方法では発見が困難でした。
そのため、今回ご紹介するVRを用いた測定方法は、アルツハイマー型認知症を克服するための新たな手段として期待されています。
【MIG社】
Brain100studioプログラムというサービスを手掛けており、認知症の発見と予防を通じて、脳の健康を保ち「大切な人生の記憶」をいつまでも保ち続けることをサポートする会社です。
|空間ナビ測定VRとは
空間ナビ測定VRは、アルツハイマー型認知症の超早期発見のために開発された測定方法です。
被検者のVR空間内での活動内容から認知機能の低下がどれくらい進んでいるかを確かめます。
既存の検査方法(神経心理テストや血液検査・PET検査など)では発見できなかった、最初期の異常を見つけられるよう設計されており、ゲーム感覚でVRを体験するだけで脳機能を測定できるので、被検者に負担が少なく安全です。
アルツハイマー型認知症を発見できる仕組み
空間ナビ測定VRは、脳の中にある嗅内野と呼ばれる部分の機能を測ることが可能です。
この嗅内野の状態によって、アルツハイマー型認知症かどうかを判断します。
アルツハイマー型認知症は、病の進行度合いによって6つのステージに分かれており、最初期のステージでは嗅内野と呼ばれる脳の一部に異常が発生、脳神経細胞の破壊が始まります。
嗅内野は空間ナビゲーション機能をつかさどっており、アルツハイマー型認知症に侵され始めると機能の低下がおこります。
そこで、被験者にVR空間内で活動してもらい、空間ナビゲーション機能を測定することで、アルツハイマー型認知症の発見につなげます。
【空間ナビゲーション機能】
空間内で自分の位置を知る機能です。全地球測位システム(GPS)のような機能で、自分が移動した距離と方向の情報をもとにして現在地を推定します。
脳機能の測定・評価方法
空間ナビ測定VRは、VRゴーグルを使った15分の簡単なテストで脳機能を測定します。
テストは以下の要領で行われます。
1. VRゴーグルを装着する
2. VR空間内をコントローラーを使って移動、黄色い旗を目指す
3. 黄色い旗に到着したら、次に青い旗を目指して移動する
4. 青い旗に到着したら、スタート地点に戻る。
実際のスタート地点と、最終的に戻ってきた地点がどの程度違っているかによって、被検者が空間内の自分の位置や帰路を正しく推定できているか判定します。
このテスト結果から、被検者の空間ナビゲーションがどの程度正しく機能したか4段階で評価します。
測定時の注意点
VRを使った検査を受ける際に注意したいのがVR酔いです。
【VR酔い】
VRゴーグルをつけた状態で映像を見たときに、乗り物酔いに似ためまいや吐き気、不快感などの症状が現れる状態を指します。
空間ナビ測定VRでは、乗り物酔いと同じ程度のVR酔いを起こす確率は1%未満に抑えられていますが、以下の内容に当てはまる方は注意が必要です。
・車酔いがひどい方
・自分の運転でも酔ってしまう方
・内耳性のめまいがある方
・TVやゲームの主観移動の映像が苦手な方
以下のリンクからVR酔いを起こしやすい体質かどうかチェックできます。
また、空間ナビ測定VRを用いた判定は、MIG社独自のアルゴリズムによる判定であり、医学的な判定ではないことにも注意が必要です。
|Brain100studioプログラム
MIG社はBrain100studioプログラムというサービスを提供しています。
このサービスは、空間ナビ測定VRによる診断結果をもとに、アルツハイマー型認知症の予防を目指すプログラムです。
Brain100studioプログラムは主に以下の内容を提供しています。
・空間ナビ測定VRによる脳機能測定
・脳機能測定結果と16項目のヘルスチェックからレポートを作成し、脳の健康を見える化
・会員コミュニティー「Brain100教室」
・キリン開発脳機能改善サプリメント(別売り)
・嗅内野の機能を鍛え脳神経経路の補強を目指す、空間ナビ脳トレ
VR測定の結果に応じて、専門医療機関への紹介や「次にやるべき予防アクション」も用意されています。
会員コミュニティー「Brain100教室」では、専門家による脳の健康についてのウェビナーが開催されたり、メルマガが配信されたりして、世界の認知症研究の最先端を知ることが可能です。
このように、Brain100studioプログラムを受けることで、自分の脳の状態を知ることができ、トレーニングや生活習慣の改善を促す施策によってアルツハイマー型認知症の発症リスクを減らせます。
|プログラムを受ける流れ
Brain100studioプログラムを受ける際の流れは以下の通りです。
1. VR測定を行うスタジオを選択して測定日を予約
2. 16項目のヘルスチェックに回答
3. スタジオでVR測定
4. 判定レポートが送付される
5. 予防活動スタート
6. 2回目のVR測定とヘルスチェック
16項目のヘルスチェックはPCやスマホから回答可能です。
判定レポートが送られてきたら、会員コミュニティーで脳の健康について学び、脳トレやサプリメントなどで予防活動を行いましょう。
【VR測定を受けられるスタジオ】
スタジオ名 | ロケーション | 営業時間 | 定休日 |
Brain100studio渋谷 | 渋谷駅 徒歩8分 | 10:00〜18:00 | 土曜日・日曜日 |
つくばロボケアセンター(準備中) | 研究学園駅北口 徒歩8分 | 10:00〜18:00 | 月曜日・祝日 |
湘南ロボケアセンター(準備中) | JR東海道線辻堂駅 北口 徒歩4分 | 9:00〜18:00 | 日曜日・祝日、第5土曜日、年末年始 |
|まとめ:VRが実現する認知症の最新治療
ここまでMIG社によるアルツハイマー型認知症のVR測定について主に以下の内容をお伝えしてきました。
・MIG社がアルツハイマー型認知症の超早期発見を可能にするVR測定を開発した
・嗅内野の機能を測ることでアルツハイマー型認知症を発見する
・空間ナビ測定VRはアルツハイマー型認知症を最初期の段階で見つけられるよう設計されている
・測定を受ける際はVR酔いに注意が必要
・Brain100studioプログラムを受けることで、VR測定や認知症予防のサービスを受けられる
アルツハイマー型認知症は、これまで予防が可能な段階での発見が難しかったため「わかっても怖いだけ」というイメージがありました。
しかしVR技術の進歩に伴って、最初期段階での発見と予防が現実のものになりつつあります。
ご家族や自分の健康に不安がある方は、今回紹介したVR検査を検討してみてください。
今後数十年にわたる健康に影響するような発見があるかもしれません。