本記事では、最近流行している音楽生成AIに興味がある方に向けて
・音楽生成AIとは
・音楽生成AIのおすすめ7選
・音楽生成AIで作った曲の著作権
などの、音楽生成AIについての疑問をご解決させて頂きます。
本記事を読めば、音楽生成AIに詳しく知った状態になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
|音楽生成AIとは
近年、人工知能 (AI) の進歩がめざましく、アートの分野において、「Midjourney」や「Stable Diffusion」などといった画像生成AIがさまざまなメディアで話題になっています。
同様に、AIは音楽の分野でも大きな進歩を遂げており、作曲やビートメイキング、ミキシング&マスタリング、音楽ストリーミングなど、音楽制作プロセスのさまざまな側面に影響を与えています。
作曲にAIを導入することで、ユーザーはゼロから瞬時にトラックを制作したり、アーティストのクリエイティブな作業を効率良く行うことができます。
今回は、注目のAI機能を活用した音楽自動生成サービスを紹介します。
|音楽生成AIのおすすめ7選
音楽生成AIサービスは複数存在しますが、今回はその中から以下の7つを取り上げてご紹介していこうと思います。
①MusicLM
②SongR
③Amper Music
④SOUNDRAW
⑤AIVA
⑥JukeBox
⑦Amadeus Topline
MusicLM
Googleは、2023年1月に入力したテキストから音楽を自動生成するAI「MusicLM」を公開すると発表しました。
このAIは、GoogleのAIを体験できるアプリ「AI Test Kitchen」に登録しているユーザーに一定の制限つきで利用が可能です。
Googleは倫理的な課題について懸念があり、「MusicLMをリリースする計画は当面ありません」と述べていました。
しかし、プロのミュージシャンと協力して「トレーニング用データセットの音楽を作成するワークショップ」を開催し、倫理的な課題を解決したことで、MusicLMが「AI Test Kitchen」で利用可能となりました。
MusicLMは、約28万時間分の音楽を学習しており、これにより、テキストで楽曲の雰囲気や目的を指定すると、自動的に音楽を生成することができます。
ただし、特定のアーティストによる演奏や歌声を再現するような音楽の生成はできないとされています。
GoogleはMusicLMを実験的なツールと位置づけ、プロのミュージシャンや初心者が創造性を表現するのに役立つと紹介しています。
SongR
「SongR」は歌詞を入力するだけでAIが自動で作曲をしてくれるサービスです。
SongRはアプリのインストール不要でWeb版のサービスとして利用でき、まだベータ版ですが使いやすく、ユーザー登録や設定は不要です。
Webブラウザから英語詞を入力すると、AIが作曲して歌詞入りの楽曲を自動生成します。
このサービスは米国の「SongR」というベンチャー企業RIFFITが提供しているサービスであり、ポップスやロックなど様々な曲調を選ぶことができます。
似たような日本のサービスとしては「CREEVO」があり、日本語歌詞を試したい人はそちらを利用することをおすすめします。
SongRでは750文字以内の英語のテキストを入力し、エミリー(女声)またはケビン(男声)を選ぶと、入力した歌詞と曲調、歌声で自動的に歌が生成されます。
生成された歌はダウンロードして公開できるため、多くのユーザーが国内外でTwitterなどで曲を公開しています。
Amper Music
「Amper Music」は音楽スタートアップのAmper Musicが手掛ける音楽生成AIサービスです。
400万ドルの資金調達でアメリカのメディアから注目を浴びています。
Amper Musicの創業者で映画音楽作曲家でもあるDrew Silversteinは、手軽で低コストなライセンスフリーの音楽制作ツールとしてAmper Musicを開発しました。
Amper Musicは使いやすさとAPIの提供などの利便性が特徴です。
現在はベータ版であり、無料で利用可能となっています。
Amper Musicは、
①楽曲スタイル
②楽曲の雰囲気
③楽曲の長さ
の三つのパラメータを選択するだけで簡単に曲が作成できます。
音楽の知識がなくても利用可能ですが、カスタマイズできる要素はまだ少ないです。
Amper Musicの音源はロイヤリティフリーなので、音楽制作経験のない人が動画やゲームのBGMや効果音を必要とする際に便利です。ただし商用利用にはまだ制限があります。
SOUNDRAW
「SOUNDRAW」は、AIを使用した音楽ジェネレーターのWebサービスです。
曲の長さ、雰囲気、楽器などを選択し、「CREATE MUSIC」をクリックすると、複数の候補曲が表示されます。
候補曲からイメージに合った曲を選ぶことができます。
完成した曲の一部分のみを別のアレンジに変更することも可能です。
曲の作成は無料で行えますが、ダウンロードして自身の楽曲として使用するには月額1990円からの有料アカウントが必要となっています。
作成した楽曲は著作権フリーなので、動画のBGMとして利用しても問題ありません。
AIVA
「AIVA Technologies」はルクセンブルグのスタートアップ企業で、コンピュータサイエンティストで作曲家のピエール・バロー氏が映画「her/世界でひとつの彼女」の影響を受けて開発した音楽生成AIサービスです。
AIVAは「Artificial Intelligence Virtual Artist」の頭文字から名付けられました。
AIVAでは以下の13個のジャンルから曲を選択することができます。
Modern Cinematic, 20th Century Cinematic, Sea Shanty, Jazz, Fantasy, Pop, Rock, Chinese, Tango, Electronic, Ambient, Hip Hop。
また、以下の6個のパラメータも設定できます。
曲のキー、曲の拍子、曲のテンポ、使用する楽器、曲の長さ、生成する曲数。
Jukebox
「Jukebox AI」はOpenAIによって開発された音楽生成AIサービスです。
Jukebox AIは自動的に音楽の作曲、演奏、歌唱などを行うことができ、音楽のスタイル、長さ、歌詞、アレンジなど、多くの要素をカスタマイズすることができます。
Jukebox AIは音楽制作のプロセスに革命をもたらすと考えられており、クリエイティブなプロダクションにおいて大きな影響力を持つ可能性があります。
Jukebox AIを使用するには、「Google Colaboratory」という、Googleが提供する、Pythonの言語を記述~実行できるサービスが必要になります。
また、Jukebox AIを利用するには多くの容量を必要とするため、有料プランであるGoogle Colaboratory Pro(月額1000円ほど)に契約する必要もあり、Pythonの言語を記述する必要もあるため、少し敷居が高い音楽生成AIサービスかもしれません。
Amadeus Topline
「Amadeus Topline」は、ユーザーが欲しい曲を検索して作曲ボタンを押すと、AIが新しいメロディーの新曲を提供してくれるサービスです。
ユーザーは提供されたメロディーをオーディオファイルやMIDIファイルとしてエクスポートし、選択したDAWでさらなる音楽制作を行うことができます。
このサービスでは、新曲の著作権は完全にユーザーに帰属し、自由にマネタイズすることができます。
従来の音楽制作では、メロディーのアイデア出しに多くの時間がかかってしまうことも多くありましたが、Amadeus Toplineを使用することでその時間を大幅に短縮できます。
AIの活用により、クリエイターはアイデア出しに費やす時間を節約し、より多くの時間を編曲に割くことができます。
これにより、生産性が向上し、高品質な楽曲の制作が可能となり、結果的に音楽クリエイターの収益を増やすことができます。
|音楽生成AIで作った曲の著作権
AI・人工知能が作曲を行う機会が増加する中、AIによって作られた音楽の著作権はどうなるの?という疑問が湧いてくるかと思います。
結論として、現状完全にAIによって作曲された楽曲には著作権が存在しません。
これは、AIが作曲した楽曲に著作権を認めると、人間の作曲活動を破壊する可能性があるからです。
AIは素早く大量の楽曲を作り出せるため、「先にAIで楽曲を制作しておく」という戦略も可能となります。
もしAIに著作権が認められた場合、オリジナルで作曲した楽曲がヒットしても、似ていると言われて著作権侵害となるリスクが高まります。
以上の理由から、基本的にAIの著作権は認められないことになっています。
ただし、AIを道具として利用しながら人間が作曲した楽曲に関しては、人間に著作権が認められます。
このように、AIの役割が補完的なものである場合には人間の著作権が尊重されるのです。
|まとめ
本記事では、音楽生成AIについて知りたい人に向けて、
・音楽生成AIとは
・音楽生成AIのおすすめ7選
・音楽生成AIで作った曲の著作権
などの、音楽生成AIサービスの紹介や音楽生成AIによって作られた楽曲の著作権についてご紹介させて頂きました。
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです!