2023年3月29日の国会で使用され、全国で注目を集めた「ChatGPT」。

ChatGPTは一般公開からわずか2ヶ月で月間アクティブユーザー数1億人を達成し、史上最も急速に成長したアプリケーションの一つになりました。

しかし、いまだChatGPTについて正確に理解できている人は少ないのではないでしょうか。

そこで、あなたは一足早くChatGPTについて理解し、ビジネスで活用してみませんか?

将来、誰もが利用する時代が訪れると私は考えています。

|ChatGPTとは

出典:https://openai.com/blog/chatgpt

ChatGPT(チャットジーピーティー)とは、非営利団体であるOpenAIが開発した人工知能(AI)の一種であり、人間のように会話をしたり文章を生成したりすることができます。

大規模言語モデルといって、大量のテキストデータを学習しているので、質問をすると、ChatGPTはその質問の意味を理解し、それに対する答えを考えて返してくれます。

また、話し相手としても使うこともでき、「お腹が空いた。」と送れば、ChatGPTはおすすめのレシピや近くのレストランを教えてくれます。

ただし、ChatGPTは文章生成AIであり、正確な情報を提供するとは限りません。

時には間違った情報や不適切な回答をすることもありますので、回答をすべて鵜吞みにするのはやめましょう。

|ChatGPTの仕組み

ChatGPTは、前述でもあった通り大規模言語モデルといわれ、大量のテキストデータを学習して、人間のような文章を生成することができます。

このモデルは、文章のパターンや文法を学ぶため、ウェブ上の文章や書籍などのデータを使って訓練されています。

ChatGPTは、ユーザーからの入力を受け取ると、その文脈を理解しようとします。

そして、学習した知識や文法ルールに基づいて、適切な応答を生成します(プロンプトエンジニアリングという)。

ただし、ChatGPTはあくまでデータから学習した統計的なパターンに基づいて文章を生成しているため、時には文脈を誤解したり、不正確な情報を提供することがあります。

また、新しい情報やトレンドには追いつけない場合もあるため、質問内容に限りはあります。

|ChatGPTのできること8選

ここでChatGPTの優れた機能の中から、特に注目すべき8つのできることをご紹介します。

ChatGPTには魅力的な機能がたくさん備わっているので、ぜひできることを覚え、上手に活用していきましょう。

文章の作成

ChatGPTは文章の作成に非常に向いています。

例えば、ブログの記事やシナリオの作成に使用するとします。

ブログの記事を作成する際には、テーマや情報の要点を与えることで、自動的に文章を生成してくれます。

同様に、シナリオの作成では、キャラクターの対話や場面設定を与えると、ChatGPTが自動的にセリフや展開を考え出してくれます。

ただし、生成された文章は必ずしも正確であるとは限らず、あくまでChatGPTが学習したパターンに基づいているため、確認や編集を怠らないようにしましょう。

質問に対する返答

様々なトピックの質問に対して、回答する能力があります。

ユーザーからの質問を受け取ると、ChatGPTはその文脈を理解し、学習した知識や文法ルールに基づいて応答を生成します。

特に一般的な質問や一般知識に関する質問に対しては、比較的正確な回答を生成することができます。

ただし、ChatGPTが学習した範囲を超える専門的な質問や最新の情報については、正確な回答ができない場合がるので確認する必要があります。

文章の要約

与えられた文章や文脈を理解し、その要点や重要な情報を抽出して要約文を生成することができます。

例えば、論文やWebページなどが挙げられます。

ただし、要約の内容や表現はモデルが学習したデータと統計的なパターンに基づいて生成されるため、正確性や適切性を保証するものではありません。

また、要約は文章の圧縮や情報の抽出を目的として行われるため、ユーザーの要件や目的に適した要約結果を得るためには、適切な調整やフィードバックが必要となります。

文章の校正

与えられた文章を読み取り、文法や表現の誤りを特定して修正することができます。

ただし、完璧な校正を保証するものではありません。

特定の専門用語や特殊な表現に関しては、正確な修正を提案できない場合もあります。

ChatGPTにはツールの1つとしてまず校正をしてもらい、追加で人間の判断や編集と組み合わせることでより良い校正結果を得ることができるようになります。

ChatGPTの能力を過信しすぎないように注意しましょう。

リストや比較表の作成

ChatGPTは文章作成だけではなく、ユーザーが要求する形式でのリスト作成や比較表を生成することができます。

リスト作成では、リストの順序や要素の形式を指示することで、その情報に基づいてリストを作成します。

また、比較表の場合も同様で、表の構造や要素を指示すると、それに基づいて表を生成することができます。

例えば、表の見出しや列の要素を指定することで、ChatGPTはその情報に従って表を作成します。

アイデア出し

対話形式で問いかけることで、新しいアイデアや創造的な提案を生成してもらうことができます。

例えば、特定のテーマに関してアイデアを求める場合、関連するキーワードや制約条件を与えることで、ChatGPTはそれに基づいてアイデアを生成します。

また、問題解決やプロジェクトの計画立案など、具体的な課題に関してもアイデアを出してくれます。

ChatGPTに提供してもらったアイデアを出発点として、ユーザーが派生させていくことで素晴らしいアイデアになりそうですね。

プログラミングのソースコード生成

プログラミング言語に関する知識や文法を理解しているため、与えた要件に基づいてソースコードを生成してもらうことが可能です。

例えば、特定のアルゴリズムの実装や関数の作成、データ処理のコードなど、さまざまなプログラミングタスクに対応することができます。

また、エクセルの関数やVBAなどでも使用することができるので、普段プログラミングをされない方でも日常で使用することができるのではないでしょうか。

多言語翻訳

翻訳したい文章を送ると、ChatGPTはその文章を他の言語に翻訳することができます。

例えば、英語から日本語への翻訳を要求する場合、英語の文章を提供し、目的言語として日本語を指定します。

また、フランス語やドイツ語、中国語などほとんどの自然言語を翻訳することが可能となっています。

しかし、英語をはじめとする主要な言語を翻訳する場合は高精度なものが提供されますが、一部の言語や少数言語への適応はまだ低いようです。

|ChatGPTの注意点

ChatGPTを利用するうえでメリットはたくさんありますが、もちろん注意点があることも覚えておきましょう。

注意点を理解することで、ChatGPTを正しく利用することができ、有用的なものとなるでしょう。

それでは2点ご紹介します。

ファクトチェックが必須

ChatGPTは大量のデータから学習された言語モデルであり、情報を生成する際にはその学習データに基づいています。

しかし、モデル自体は事実や正確性を理解するわけではありません。

そのため、ChatGPTからの情報は必ずしも正確な情報とは限らないため、必ずファクトチェック、事実確認をするようにしてください。

特に重要な情報や専門的な情報に関しては、信頼性の高い情報源や専門家の見解を参照することが推奨されています。

大量の情報がオンライン上で共有される現代社会において、SNSなどで情報は容易に広まり、正確な情報を確認することは重要なスキルとなっています。

ChatGPTを学び、同時にファクトチェックのスキルも上げることが求められます。

チャット内容が保存されることがある

OpenAIは一般的な利用を目的として、ChatGPTの対話データを保存することはないのですが、一部の利用ケースでは一時的に対話データが保存する場合があります。

ユーザーの対話データを収集したり、個人を特定する情報を使用されることはないと説明されていますが、サービス品質の向上やトラブルシューティングのため一時的に保存される場合があるため、個人情報や機密情報は入力しないように心がけましょう。

いまだ発展途上の技術ではあるため不備があることは十分に考えられます。念には念を入れ、注意するようにしてください。

また、OpenAIのプライバシーポリシーには、データの取り扱いに関する詳細な情報が記載されているため、必要に応じて参照してください。

|ビジネスでの活用事例

ChatGPTのできることや注意点をご理解いただけたうえで、次にビジネスでの活用事例を紹介します。

ChatGPTの機能を応用することで、ビジネスで活用できることは数えきれない程あります。

ぜひビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。

顧客サポート

ChatGPTをAIチャットボットとして導入することで、顧客の問い合わせに24時間体制で迅速に対応できる顧客サポートを実現します。

ChatGPTは自然言語理解と生成の能力を持ち、顧客の質問や問題を適切に理解し、適切な回答や解決策を提供します。

これにより、待ち時間の削減や迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上に繋がります。

さらに、ChatGPTはFAQの提供や商品・サービスに関する情報提供なども行い、顧客が求める情報に素早くアクセスできる環境を提供します。

顧客サポート担当者の負荷軽減や生産性向上にも貢献し、結果的に企業の効率性と顧客満足度の向上に寄与します。

さらに、AIは莫大なデータから学習して応答しているため、顧客サポート担当者よりもより優れた回答へ導くことができるかもしれません。

コンテンツ作成

上記で挙げた「文章の作成」の機能を使用することで、容易にコンテンツを作成することができます。

例えば、マーケティングや広報活動に必要なコンテンツを作成したい場合、指定したトピックに関する情報や知識を入力することで、効果的な文章を作成するための手助けをしてくれます。

長い時間やエネルギーをかけずに、多くのコンテンツを生成することができるため、効率的なコンテンツ作成が可能となります。

また、ChatGPTは複数の情報源からのデータを組み合わせて独自のコンテンツを作成することもできます。

様々な調査データや統計情報、専門的な知識を取り入れて、オリジナリティのある記事を作成することは人間よりも優れているでしょう。

ゲーム開発

ChatGPTはゲームの開発までも可能としています。

例えば、アドベンチャーゲームでは、複数のキャラクターやイベントを組み合わせて魅力的なストーリーを自動生成することができます。

ゲームの物語やクエストの展開を補完するためにも使用することができますね。

また、非プレイヤーキャラクター(NPC)との対話システムも構築可能となっています。

プレイヤーがNPCと自然な対話をすることで、より没入感のあるゲームを味わうことができるでしょう。

今までになかった自由で自然な会話をゲーム内でできることに大きな魅力を感じます。

さらには、プレイヤーがゲーム内で進行に詰まったり、アドバイスが必要な場合には、ChatGPTを利用してヒントやヒーローのサポートを提供することができます。

マーケティング

ChatGPTはマーケティングのさまざまな側面で活用することができます。

競合分析やターゲット顧客のニーズ調査、市場調査プロセスの効率化など、効果的なマーケティング戦略の構築や実行に貢献します。

例えば、マーケットリサーチの補完として、大量の顧客の意見やフィードバックを分析することができます。

ソーシャルメディアの投稿やカスタマーサポートのチャットログなど、さまざまな情報源からのデータを収集し、傾向やトレンドを把握します。

これにより、顧客のニーズや要望に関する情報を得ることを可能とします。

また、競合他社の戦略やアプローチを理解し、自社の位置付けや差別化ポイントを見つけることができるのも、非常に魅力的です。

データ分析

ChatGPTは大量のデータから学習をすることができるため、分析においても一級品です。

例えば、大量のデータを解析し、パターンや傾向を抽出することができます。

トレンドの特定や異常値の検出など、データ分析における重要な要素をサポートしてくれます。

また、機械学習のタスクにも応用でき、過去のデータを使用して予測モデルを構築し、将来の傾向や予測値を生成することもできます。

さらには、データセットから傾向を視覚的に表現するためのチャートやグラフの作成に対して、アドバイスやサンプルを提供してもらうことも可能です。

これにより、データの理解や意思決定のサポートまで補完してくれる優れものとなっています。

教育とトレーニング

教育やトレーニングをすることも可能で、学習者や教育者のサポートをすることができます。

オンライン教育や学習資料の作成、パーソナライズドな学習支援、社員研修や人材育成の支援ツール開発など、その用途は様々になります。

例えば、教育者1人に対し、生徒が複数人いる場合は、1人の生徒の質問や疑問に対して教育者が回答していましたが、ChatGPTを用いることでまるでマンツーマン授業のような体形を取ることができます。

生徒は自分のペースで学習を進めることができ、個別のニーズに合わせたサポートを受けることが可能となりました。

今までの体形と比較すると、より質の高い授業を展開することが可能となりそうです。

教育者は学習者への指導やフォローアップを怠らないようにしてください。

人事管理

人事のあらゆる仕事をサポートしてくれます。

採用プロセスでは、応募者からの質問に回答するだけでなく、会社や仕事に関する情報を提供し、質疑にも対応することで、応募者とのインタラクションを強化します。

また、応募書類データを解析してもらうことで、スクリーニングも実現できます。

経験年数や資格、言語スキルなどの要素を自動的に把握し、応募者の基本的な能力を判断してくれます。

さらには、採用の際に用いるインタビューやスキルテストなどの代替案を提示してもらうことで、スピーディーにより質の高い採用基準を設けることもできます。

ChatGPTを活用することで、採用プロセスをスムーズに進めることが可能となりますね。

アイデア出し

前述したChatGPTのできること8選でも挙げた「アイデア出し」は、ビジネスで使用するのにもとても役立ちます。

例えば、ChatGPTとの対話や質問をすることで、新しい製品やサービスのアイデアを生み出すことができます。

ChatGPTは多様な情報や知識にアクセスしており、市場のニーズやトレンドに関する情報を提供することができます。

そのため、我々人間のデータ量をはるかに超え、人間よりも良質なアイデアを大量に生成してくれます。

さらには、製品やサービスだけではなく、問題解決やプロセスの改善、キャンペーンなど、様々なアイデア出しにまで応用できます。

まずはChatGPTにアイデア出しをしてもらい、そのアイデアを人間が手を加え評価することで、より優れたビジネスアイデアの発展と活用を実現できるのではないでしょうか。

ソーシャルメディア管理

ソーシャルメディアの投稿スケジュール作成やエンゲージメント追跡から分析までの管理をすることができます。

スケジューリングでは、ChatGPTに投稿内容やターゲットオーディエンスについて説明することで、最適な投稿タイミングや頻度を提案してもらうことが可能です。

また、投稿の予定を管理してもらい、自動的にスケジュールを組むことまでChatGPTに任せることができます。

また、特定の指標やデータポイントに関する質問をすることで、フォロワー数、いいね数、コメント数などの情報を把握し、エンゲージメントの傾向や成果を評価することができます。

人間が時間を掛けて作業する必要がなく、ChatGPTに素早く正確に分析してもらいましょう。

|まとめ

「ChatGPT」のできることやビジネスへの活用事例を詳しく解説しました。

今回の記事を通じてChatGPTの素晴らしい能力について、ご理解いただければ嬉しく思います。

将来的には、ChatGPTが私たちの生活やビジネスにおいてますます重要な役割を果たすことが予想されます。

しかし、上記で述べたようにこの優れたAIとの関わり方には注意が必要です。

私たちは正しく活用するために、AIについて学び続けながら共存していく必要があります。

技術の進歩は素晴らしいものですが、私たち自身が責任を持って活用することが求められます。

常に注意と検証の重要性を忘れずに正しく利用していきましょう。

ChatGPTの活用によって、今よりもより良い未来を築くことができるはずです。