昨今、画像生成AIの進化が注目を集めています。
その中でも、ひときわ多く名前を耳にするのが「Novel AI」という画像生成AIサービスです。
この記事では、Novel AIではどのようなイラストが作成できるのか、無料で使えるのか、利用する際の注意点、今後の展望などを詳細に解説します。
記事を読むことで、Novel AIの全貌がつかめ、最新の画像生成AIの理解を深めることができます。
<この記事を読むとわかること>
- Novel AIは、アニメ風キャラクターのイラスト生成に特化している
- 無料版では画像生成が出来ない
- 各有料プランの具体的な情報と支払い方法がわかる
- Novel AIのデータベースは違法サイトを参考にしている可能性がある
- 様々な分野での活躍が期待されている
目次
|Novel AIの基本的な機能と特性
Novel AIは、一流の人工知能を駆使し、ユーザー指定のプロンプトに基づいて小説やイラストを生成するウェブサービスです。
2021年のベータ版公開からステップアップし、2022年には画像生成機能が実装されました。
Anlatan社が提供しており、その本拠地はアメリカのデラウェア州にあります。
Novel AIが注目を受けている最も大きな理由は、一般的な文章生成機能に加えて、高品質なAIイラスト生成機能を有している点です。
このイラスト生成機能は他の類似サービスと比較しても精度が高く、特にアニメ風キャラクターイラストの作成に優れています。
他にも、今までのイラスト生成サービスでは、作成したイラストに著作権が与えられていないことで、商業利用することが困難でした。
しかし、Novel AIで作成したイラストの著作権は制作者に帰属されることが明記されているので、より多方面での利用が想定されています。
ただし、イラスト生成機能は、有料プランでのみ利用可能で、最低$10/月のプランで約200回の生成が可能です。
(※詳細なプランの説明は後述)
また、スマートフォンや低スペックのPCでも使用が可能で、使いやすさも魅力となっています。
|Novel AIで作成したイラスト例
Novel AIの人気を理解するには、どのようなイラストを作成できるのか、その実物を確認するのが最も手っ取り早いでしょう。
ここでは、社会現象にもなったゲーム「ウマ娘」と、二次元創作界隈で有名な版権キャラクター「東方project」のイラストをご紹介します。
ゲーム「ウマ娘」キャラクターイラスト
こちらの画像は、「ウマ娘」に登場する主要キャラクターの一人「トウカイテイオー」のイラストです。
左側が元々のトウカイテイオーで、右側がNovel AIを使って作成したものとなります。
実際のモデルと比較すると不自然な点も目立ちますが、かなりの精度で再現できていることがわかります。
作者いわく、プロンプトに関しては、ネット上に公開されているものを集めて作成したとのことです。
Novel AIのイラスト全般に言えることですが、現在出回っているイラストの大多数は、似たようなプロンプトを使用して作成しているため、同じような仕上がりになる場合が多いです。
ただし、「ウマ娘」のキャラクターのイラストを簡単に作成できるからといって、制作したイラストを商業活動に利用することは法律で禁じられています。
利用する際は、この点をしっかりと肝に銘じておきましょう。
版権キャラ「東方project」のキャラクターイラスト
東方projectとは、1996年にリリースされたシューティングゲームです。
シリーズのキャラクターは、魅力的で個性的な少女たちが中心となっており、独自の世界観が今なお根強い人気を誇っている作品です。
上記の画像は、その東方projectに出てくる版権キャラクター「チルノ」を、Novel AIを使って現代風に仕上げたイラストです。
こちらは、アニメイラストに詳しくない方でも、かなりの精度でイラストが作成されていることがわかるのではないでしょうか。
このようなイラストを制作するのにかかる時間は、PC環境やスペックにも寄りますが、慣れてくると1分以内にイラストを生成できるようになるとのこと。
まさに、イラストレーター泣かせといえるかもしれません。
このように、Novel AIはアニメ風のキャラクターを簡単にイラスト化できることで注目を集めています。
|Novel AIの料金と無料版について
Novel AIは無料で使えるのか、または有料版との違いはどのようになっているのかは気になるところです。
ここでは、Novel AIの料金プランを全て網羅し、無料版に利用範囲について詳しく解説します。
Novel AIの料金プランと支払い方法
Novel AIでは、4つの異なる料金プランを提供しています。以下はNovel AIの各料金プランの詳細です。
プラン名 | 月額料金 | 文字数 | イラスト生成 | 毎月付与されるAnlas | 生成可能なイラストの枚数 |
Free Trial | 無料 | 8192文字 | 不可 | – | – |
Tablet | 約1,400円 (10ドル) | 4096文字 | 可 | 1,000 | 約200枚 |
Scroll | 約2,100円 (15ドル) | 8192文字 | 可 | 1,000 | 約200枚 |
Opus | 約3,500円 (25ドル) | 8192文字 | 可 | 10,000 | 約2,000枚 |
料金はサブスクリプション形式で、毎月自動的に請求されます。
また、イラストの生成にはAnlasが必要で、1枚あたり通常5Anlasが相場となっています。
<Anlasとは?>
AnlasはNovel AIの内部通貨で、イラスト生成機能を利用する際に必要となります。
基本的には、1枚のイラスト生成に対して5Anlasが必要です。
各有料プランには一定量のAnlasが毎月付与され、これによって指定された枚数のイラストを生成することができます。
無料版の利用条件とその範囲
Novel AIは無料で利用することが可能ですが、その範囲は制限されています。
無料プランとして提供されているのは「Free Trial」で、このプランでは主にストーリーの生成が可能です。
具体的には、AIの記録可能文字数が約8192文字、記憶トークンが2048個、フリーテキスト(ストーリー)生成数が100までとなっています。
Novel AIを利用して小説を作るなら、十分利用範囲のプランと言えます。
ただし、Free Trialプランではイラストの生成機能は利用できません。イラスト生成を目的とするユーザーは有料プラン(Tablet、Scroll、Opus)を選択する必要があります。
有料プランでは、毎月付与されるAnlasによって一定量のイラストを生成することが可能となります。
そのため、イラスト生成機能をフルに利用するには有料プランへの登録が不可欠です。
|Novel AIの日本語対応について
Novel AIは、現時点(2023年6月)では、残念ながら日本語対応しておりません。
そのため、イラストを生成する際の命令文は英語で入力する必要があります。
ただし、英語が読めなくてもほとんどの日本ユーザーが問題なく対応しているようです。
大抵のユーザーは、Google翻訳を活用して日本語を英文に変換して対応していたり、ネットに公開されている呪文(命令文)をそのままコピー&ペーストして対応しているようです。
最近では、ChatGPTに代表される高度な言語モデルも無料で利用できるので、この点についてはあまりデメリットに感じるユーザーは少ないでしょう。
ですが、できることなら日本語対応して欲しいというユーザーの声も多数あります。
公式からは日本語対応に関する発表はまだされていませんが、今後のアップグレードに期待しておきましょう。
|Novel AIを利用するうえでの注意点
Novel AIは、画像生成AIの中でもアニメ風イラストを生成できることで注目を集めていますが、いくつか注意点があります。
中には今後の展開次第では、サービス停止の可能性も指摘されているものもありますので、以下に紹介する注意点は必ず確認しておきましょう。
学習データが無断転載サイトを参考にしている
Novel AIが学習したデータには、特定の無断転載サイトからのイラストが含まれている可能性が指摘されています。
これは倫理的な観点から問題とされているもので、サービスを使用する際には注意が必要です。
ただし、この指摘については明確な証拠が存在せず、また現状として法的な違法性は認められていません。
今後、違法性が認められればサービスが停止となる可能性もあります。
その点は、注意しておきましょう。
生成結果の精度に関する認識
Novel AIは自動でイラストを生成するツールですが、一度の生成で目的のイラストを得ることは容易ではありません。
生成結果にはデッサンやパースの矛盾、欠損が存在することが多く、ユーザーの細かな指定(髪の色、仕草、動作など)を完璧に反映した結果を得るためには相応の時間と理解が必要となります。
AIが生成するイラストの品質についての理解
現状、Novel AIが生成するイラストは、見た目はプロのイラストレーターレベルに近いものを出すことができますが、それはあくまで「それっぽく見える」程度です。
AIによるイラスト生成技術は急速に進歩していますが、まだまだプロのイラストレーターが描くような細部までの表現力や感情表現は乏しく、この点を理解した上でNovel AIを使用することが重要です。
|Novel AI(画像生成AI)の今後の活躍ジャンル
Novel AIに代表される画像生成AIは、様々なジャンルでの活躍が期待されています。
一般的に、このような画像生成AIはエンターテインメント分野での活躍が注目を集めていますが、それ以外にも多くのジャンルで活躍の可能性を秘めています。
ここでは、今後想定される活躍ジャンルを3つ厳選してご紹介します。
エンターテイメント分野での活用
Novel AIの画像生成機能は、エンターテイメント分野において多岐にわたる可能性が指摘されています。
特にゲーム開発におけるキャラクターデザインや背景美術の創出、映画やアニメーション制作におけるスピードアートやコンセプトアートの制作に利用することで、時間とリソースを大幅に節約することが可能になります。
また、バーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)の環境構築におけるビジュアル要素の生成にも活用可能です。
これにより、現実世界とデジタル世界がシームレスに統合された新たなエンターテイメント体験を提供することが可能となります。
他にも、音楽ビデオやパフォーマンスアートなどの視覚的な要素の創造にもNovel AIは利用可能です。
クリエイターやアーティストが自分の想像力の限界を超えたビジュアルを生成し、視覚表現の新たなパラダイムを探求するためのツールとして、Novel AIを含む画像生成AIの活用は期待できるでしょう。
教育分野での活用
教育分野においても、Novel AIの画像生成機能は大いに活用されることが期待できます。
視覚化は学習体験を強化する強力な要素であり、画像生成AI技術はそのための新たな可能性を切り拓いています。
一つの具体的な例として、歴史や科学の教育におけるビジュアルエイドの生成が挙げられます。
Novel AIのような画像生成AIを利用することで、古代の戦闘シーンや複雑な科学的概念など、教育的なコンテンツを視覚的に描写するための一助となり得ます。
さらには、教師が教材を作成する際にも画像生成AIは有用で、カスタムイラストや教科書のビジュアルを生成するのにも利用できるでしょう。
これにより、個々の学生の理解と学習スタイルに合わせた教材の作成が可能となり、教育のパーソナライゼーションが促進されるはずです。
ビジネス分野での活用
ビジネス分野でも、Novel AIの画像生成能力は様々なシナリオで活用されるでしょう。
マーケティング、プロダクトデザイン、ユーザーインターフェース設計など、視覚的コンテンツが必須となる領域では、特にその利点が明確になります。
たとえば、マーケティングにおける広告キャンペーンやソーシャルメディア投稿で、特定の製品やサービスを宣伝するために、画像生成は必須ともいえます。
AIが画像を生成することで、迅速かつコスト効率的に視覚的なマーケティング資料を作成でき、顧客の注意を引く新たな方法を探求することが可能となります。
さらに、ビジネスのプレゼンテーションやレポート作成にも画像生成AII技術は活用できます。
ビジュアルデータは情報の伝達をスムーズにするため、Novel AIは複雑なデータや情報を分かりやすく視覚化するのに有用です。
|まとめ:Novel AIを最大限に活用するために
この記事では、AIによる小説とイラスト作成サービスであるNovel AIについて詳しく解説しました。
その基本的な機能と特性、イラスト生成の具体的な例、料金プランと無料版の利用方法、そして今後の展望などを理解して頂けたかと思います。
Novel AIはAI技術の進化を象徴しており、その可能性は無限大です。既に様々な分野で活用が始まっており、特にクリエイティブな領域では新たな表現の可能性を開きつつあります。
しかし、AIの可能性を最大限に引き出すには、ユーザー自身がAIの機能を理解し、それを上手に活用する方法を学ぶことが重要です。
また、AIに関する法律の議論は、今後日本でも大きく変わることが予想されます。
そのため、日々のAIに関するニュースには常に目を光らせておきましょう