近年よく耳にする「Vtuber」ですが、注目を集めていることは把握しているものの「概要がよくわからない」「興味はあるけどむずかしそう」と考えている方も多いと思います。

しかしVtuberは誰でも自由に始めることが可能であり、今後の市場も大きくなると予測されています。

本記事ではVtuberの基本的な情報から始め方や仕事内容について分かりやすく解説します。

Vtuberとして活動を始めて、新たな一歩を踏み出すことができるので、ぜひ最後までご覧ください。

|Vtuberとは

VtuberとはVirtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)の略称であり、2Dや3Dモデルのキャラクターアバターを使用し、動画配信を行っているYouTuberのことです。

YouTuber(ユーチューバー)のデメリットとして「顔出ししたくない」「身バレがこわい」などの悩みがありますが、Virtual YouTuberとしての活動では実際の顔出しをする必要がないため、コンプレックスや抵抗がある場合でも心配する必要がありません。

キャラクターアバターを自由に設定し、それらを通じて様々な表現やコンテンツを発信することが可能であり、その自由度の高さから多くの人々の関心を集めています。

|VTuberの歴史

Vtuberの歴史は2016年にさかのぼります。

初のバーチャルYouTuberとして「キズナアイ」が誕生し、個性的なキャラクターと魅力的なコンテンツが国内外で大きな話題になりました。

この出来事をきっかけに、Vtuberという新たなカテゴリーが形成されます。

2018年には「ネット流行語100」でバーチャル業界に関連する単語が多数入賞し「バーチャルYouTuber」がトップ20単語賞に初めて選ばれるなどVtuberの存在が社会的な注目を浴びるようになりました。

現在は「にじさんじ」「ホロライブ」などのプロダクションに所属するVTuberがブレイクし、メディアへの露出も増えています。

Vtuberとしての活動はさらに多様化し、その可能性や魅力により多くの人々が興味を持っています。

|Vtuberとアニメキャラクターの違い

Vtuberとアニメキャラクターとの違いは、脚本やキャラクター設定を忠実に守って描画されるのはアニメキャラクターであり、Vtuberの活動にはアバターを動かす人格が影響を与える点です。

アニメキャラクターはあらかじめ設定されたストーリーやセリフに基づいて描かれ、一貫性を持った表現が求められます。

一方でVtuberは実際の人がアバターを操作して活動しているため、人格や個性がアバターの動きや表現に反映されます。 

Vtuberはリアルタイムで視聴者とのコミュニケーションを取ることができるため、より身近な存在として感じられます。

リアルタイムなコミュニケーションは、Vtuberの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

|Vtuberになるには

Vtuberになるには以下の方法があります。

  • 個人で始める
  • 事務所に所属する

それぞれのメリット・デメリットも踏まえて詳しく解説します。

個人で始める

個人でVtuberになるには、独学で知識や技術を身に付ける必要があります。

ネット上にはVtuberに関する情報やチュートリアルが豊富に存在しており、それらを活用しながら学ぶことができます。

まずはパソコンを用意し、アプリやツールで自身のキャラクターアバターを作成し、配信をおこないましょう。 

個人でVtuber活動を始めるメリットは、自分のペースやスタイルで活動することができることです。

また収益化できれば、すべて自身の利益になる部分も大きな魅力です。 

一方、デメリットは、すべてのタスクを自分でこなさなければならないことです。

配信の企画・準備、アバターの操作、編集、マネージメントなどの幅広いタスクを一人でこなす必要があるため、多くの時間や労力が必要となることも考慮しなければなりません。

事務所に所属する

もう一つは、事務所に所属してVTuberになる方法です。

大手のVTuber事務所は定期的にオーディションを開催しており、そこに応募して合格すればVtuberとしてデビューできます。

事務所に所属するメリットは、バックアップ体制やサポートが充実していること。

事務所はVtuberのマネージメントやプロモーションをおこない、さまざまな機会や活動のサポートをしてくれます。

また事務所に所属することで広告やスポンサーとの契約、メディア出演などの機会も得やすくなります。

一方で事務所に所属するデメリットは、一定の契約や制約があることがあります。

事務所の方針やルールに従う必要があり、個人の自由度が制限されます。

また事務所への報酬や収益の分配などの条件も考慮しなければなりません。

|VTuber活動の始め方

Vtuberの活動の始め方については以下のとおりです。

  1. 必要機材を揃える
  2. アバターを作る
  3. 動画の企画を立てる
  4. 動画を撮影する
  5. 動画を編集する
  6. 配信する

順番に詳しく解説していきます。

必要機材を揃える

まずは適切な機材を用意する必要があります。

活動内容や配信スタイルによって必要な機材は異なりますが、最低限必要な機材は以下のとおりです。

1. パソコン

2. マイク

3. カメラ

4. アニメーションソフト

5. 録画・配信ソフト

パソコンは予算が許す限り高機能なパソコンを選定することをおすすめします。目安は
CPUでIntel Core i7以上、メモリは8GB以上(できれば16GB以上)を選定しましょう。


音声と映像を配信するのでマイクとカメラが必要です。

マイクはヘッドセット型やスタンド型のマイクが一般的であり、カメラはウェブカメラでも配信できますが、より高画質なミラーレスカメラやビデオカメラを検討しましょう。

アニメーションソフトは、個人向けソフトである「Live2D」「FaceRig」「VRoid Studio」を使用するのが一般的です。

録画・配信ソフトは初心者にも優しいWondershare DemoCreator(ワンダーシェアー デモクリエイター)やOBS Studioがおすすめです。

アバターを作る

続いてアバターを作成しましょう。

 アバターは自身の個性を反映したキャラクターであり、視聴者とコミュニケーションをとる重要な要素です。

 アバターの作成方法は以下の2通りです。

一つ目は、自身でアバターを作成する方法です。

グラフィックソフトウェアやキャラクターメイキングツールを使用して、自身をイメージしたアバターが作成できます。

多彩な表現が可能なアバターを作成することが重要です。 

二つ目は、デザイナーに依頼してオリジナルキャラクターを作成する方法です。

プロのデザイナーに自身のイメージや要望を伝え、アバターを制作してもらいます。

自分でアバターを作成する技術や時間がない場合は依頼を検討しましょう。

 

動画の企画を立てる

続いて配信する動画の企画を立てます。

Vtuberは魅力的な動画コンテンツ制作が欠かせません。

ファンを増やすためには、事前に企画を立ててから動画を配信する必要があります。

 まずは自身の得意分野や興味のあるジャンルを把握します。

「ゲーム実況」「歌ってみた」などの自身が得意とする分野や興味のあるテーマで検討すると、オリジナルコンテンツとして魅力がでます。

次に視聴者のニーズを分析します。

視聴者が求めている内容や興味を持つトピックに配慮することが重要です。

視聴者からのコメントやリクエストを参考にしながら、人気のあるテーマやトレンドに沿った企画を考えます。

同時に視聴者の飽きがこないようなテーマで新鮮な刺激を与えることも考慮しましょう。 

継続的に活動することが最も重要です。

まずは実現可能な範囲内で企画を立てることから始めましょう。

 

動画を撮影する

続いて企画に沿った内容の動画を撮影しましょう。

配信用のソフトウェアや録画ソフトを使用し、自身の活動を録画します。

クリアな映像と音声を提供するため、適切な照明やマイクを設定します。

映像や音声の乱れは動画視聴の離脱につながるため注意が必要です。

「歌ってみた」の企画なら歌のクオリティを上げて撮影、料理系ならレシピの把握や時短術などを身につけて撮影といった流れで進めます。

また撮影時の演出や表現に工夫を凝らし、視聴者に魅力的な映像体験を提供しましょう。

動画を編集する

撮影した動画を編集します。

動画編集ソフトを使用し、撮影した映像や音声を編集します。

基本的な動作として、映像のトリミングやカットをおこない不要な部分を削除します。

続いてBGMや効果音の挿入、字幕やテキストの追加など映像に必要な要素を編集していきます。

一通り編集が完了したら必ず自分が視聴者になったつもりで確認します。

BGMや字幕のズレや誤字脱字があれば動画視聴の離脱原因につながりますし、何より伝えたい内容が明確に表現できているかが重要です。

編集ソフトウェアは初心者向けの無料ソフトからプロフェッショナル向けの有料ソフトまで幅広く用意されています。

自身のスキルや予算に合わせてソフトウェアを選定しましょう。

配信する

最後に編集が完了した動画を配信します。

 YouTubeが主流ですが、近年さまざまなプラットフォームがあり、自分に合ったプラットフォームを選択しましょう。

まずはタイトルやサムネイル画像、動画概要の説明文など設定し、視聴者の関心を引くように工夫します。

 またSNSで配信予定や更新情報を発信しておくと自身のチャンネルに視聴者の流入が増えやすくなります。

日常からSNSを育てておくことをおすすめします。 

継続的に動画を配信し、良質なコンテンツを提供すると共に、視聴者からのコメントやリアクションに対して積極的に反応しながらコミュニケーションを深めましょう。

 

|Vtuberの仕事内容

Vtuber は動画配信してコミュニケーションをとるだけではありません。

おもな仕事内容は以下のとおりです。

  • ライブ配信
  • 動画投稿
  • ファンサービス
  • メンバーシップ運営
  • グッズ&ボイス販売

詳しく解説していきます。

 

ライブ配信

Vtuberの一つ目の仕事は、ゲーム実況や雑談などのコンテンツをリアルタイムでライブ配信することです。

視聴者とのコミュニケーションを最も重視し、コメントへのリアクションや質問の回答をしながらファンを増やし、楽しい時間を提供します。

生放送だからこそのハプニングも魅力あるコンテンツとなります。 

ライブ配信は視聴者との距離感を「近い」と感じさせることが重要です。

最初からファンをつくることは難しいため、定期的に配信し徐々に視聴者とコミュニケーションを増やしましょう。

 

動画投稿

Vtuberの二つ目の仕事は「歌ってみた」「悩み相談」「ゲーム配信」などのさまざまなテーマで撮影したコンテンツ動画を投稿することです。

自身の得意分野や興味のある内容を選定し、独自の個性を発揮しながら視聴者に楽しい映像を提供します。

また魅力的にみせるための動画編集スキルも重要です。

動画は時間が長すぎても短すぎてもよくありません。

トリミング、効果音、エフェクトなどの設定をおこない魅力あるコンテンツを作成しましょう。

 

ファンサービス

Vtuberの三つ目の仕事は、配信中の動画コメントに対して積極的に反応し、ファンとのコミュニケーションを図ることです。

SNSで近況やお知らせの配信、ファンアートへのリアクションなどを通じて、ファンとのつながりを深めます。

視聴者の声に耳を傾け、ファンへの感謝を伝えることが大切です。

地道にファンサービスをおこなうことで、自身のファンは広がっていくでしょう。

メンバーシップ運営

Vtubeの四つ目の仕事は、メンバーシップ特典として専用スタンプやメンバー限定の配信などを提供することです。

ファンへの特別なサービスやコンテンツを提供することで、さらにファンの支援を受けて、より密な関係を築いていきます。

日常からファンを大切に扱う姿勢が重要です。

最初は少なくても一人一人と丁寧に接すれば、口コミが広がりファンは徐々に増えていくでしょう。

グッズ&ボイス販売

Vtuberの五つ目の仕事は、自身のキャラクターを活用したグッズやボイスCDなどの販売をおこない収益化させることです。

またVtuberとして有名になれば、企業とのコラボレーションによるグッズやイベントもおこなわれることがあります。

ここまでいくには相当な時間と労力と工夫が必要ですが、なにより継続的に配信することが最も重要です。

少しづつファンを増やし収益化できれば活動の機会もさらに広がるでしょう。

|まとめ

本記事のまとめは以下のとおりです。

Vtuberとはキャラクターアバターで動画配信を行うYouTuber

2016年の「キズナアイ」の登場から現在に至るまで市場規模が拡大している

Vtuberになるには独学か事務所に所属する方法がある

Vtuber活動を始めるには必要な機材を揃えて動画を配信し視聴者と交流する

Vtuberの仕事内容は、ライブ配信や動画投稿、ファンサービス、メンバーシップ運営、グッズ&ボイス販売がある

Vtuberとしての活動は、難しいと思われがちですが、誰でも挑戦することができます。

ファンを増やすことは簡単ではありませんが、継続的に配信することで応援してくれる人が必ずあらわれます。

まずはクオリティを気にせず発信していきましょう。