様々なクリエイティブアプリを提供しているAdobe社ですが、その中にはARに関するものも存在しています。

しかし、ARという技術に対して、以下のような思いを抱かれる方は少なくないかもしれません。

「ARって名前は知っているけどよく分からない」

「専門知識ばかりで難しそう」

本記事では上記のような疑問、不安を解消する内容となっています。

誰でも簡単にAR技術が体験できるAdobe Aeroについて、その基本的な内容から利用方法、さらには今後の可能性について解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

|Adobe Aeroとは?

出典:https://www.adobe.com/jp/products/aero.html

Adobe Aeroについて、基本的な内容を以下の項目に沿って解説していきます。

  • ソフトウェアメーカーのAdobeが提供
  • Adobe AeroでARが簡単作成!
  • ARとは拡張現実を指す言葉

ソフトウェアメーカーのAdobeが提供

Adobeは1982年にアメリカのカリフォルニア州で創業したソフトウェア会社です。

これまでに数多くのアプリを開発しており、現在ではPhotoshopやIllustratorといったクリエイティブ活動に役立つ製品を中心に提供しています。

画像だけではなく動画編集ソフトであるPremiere Proも高い評価を得ており、表現分野においてAdobe製品は欠かせないツールです。

2022年11月時点ではAdobe製品の数は70種類以上にものぼります。

利用についてはサブスクリプションが基本となっており、法人価格は月額9,280円から、PhotoshopやIllustratorをはじめとする20種類以上の製品が使い放題となります。

しかし、Adobe AeroはAppStoreから無料でダウンロード可能ですので、Adobeソフトの中でも比較的利用しやすいといえます。

Adobe AeroでARが簡単作成!

Adobe AeroではARの作成が簡単に可能となります。

アプリ内には以下のような素材がすでに用意されています。

  • 抽象シェイプ
  • 重なったイラスト
  • 植物
  • インテリアデザイン
  • タイポグラフィ
  • アニメーションアセット
  • サウンド効果などの複数の 2D、3D、およびオーディオスターターアセット

もちろん、事前に用意されている素材だけではなく、ユーザー自身が作成したイラストやアセットの読み込みも可能。

それらの素材はAirDropによって他のデバイスと共有することもできます。

Adobe Aeroでは直感的な積み木方式のアプローチによって、誰でも簡単にARを構築できます。

様々な物理スペースでの体験に適しており、幅広い可能性を秘めているアプリだといえるでしょう。

ARとは拡張現実を指す言葉

ARとは「Augmented Reality」の頭文字をとったもので、日本語では一般的に「拡張現実」と呼称されます。

ARは現実世界の風景に対し、スマホ画面などを通じて架空の世界を照らし合わせることが可能です。

現実世界にプラスアルファの視覚情報を重ねられることから、現実を仮想的に拡張するのです。

ARを活用したアプリで最も有名だといえるものは、「ポケモンGO」でしょう。

「ポケモンGO」では、現実世界の特敵の場所と、アプリ内の世界観を連動させることに成功しています。

ユーザーはまるで現実世界にポケモンがいるかのように錯覚し、実際に様々な場所へ移動を伴ったプレイを求められるのです。

現在、ARはゲームだけではなく幅広い分野での応用が検討されており、今後に注目が集まっている技術といえます。

|Adobe Aeroの使い方

一見すると専門知識が必要となりそうなARですが、Adobe Aeroを利用すれば誰でも簡単に利用可能となります。

以下の項目に沿って、Adobe Aeroの使い方を詳しく確認していきましょう。

  • 無料でダウンロード
  • 平面を検知しアセットを配置
  • アニメーションを追加できる
  • 作品の共有も可能

無料でダウンロード

Adobe AeroはiOS専用のアプリケーションであり、無料でダウンロード可能です。

現状、Androidでは利用できず、今後対応の可能性はあるとされていますが未定の状態です。

またiPhoneだけではなくMacに対するデスクトップ版も配布されています。

それぞれ無料で利用でき、アプリ版とデスクトップ版に大きな違いはありません。

しかし、デスクトップPCでは外向きカメラを利用した機能ができないデメリットがある一方、細かい調整が可能など、若干の差があることは注意しましょう。

平面を検知しアセットを配置

ARを構成する要素であるアセットを早速配置していきます。

アセットを配置する面はカメラが自動で検知し、白い泡のような点々が表示されますので、任意の箇所を指定します。

これだけで、現実世界にカメラを通じたアセットを配置できるのです。

配置するアセットは前述した通り、用意されているスターターキットから選択しても問題ありません。

こだわりたい場合は、Creative Cloudで共有しているアセットの選択も可能。

もちろん、Photoshopなどを利用して作成した、自前の3Dモデルを配置することもできます。

アニメーションを追加できる

アセットは単に配置しているだけでも問題ありませんが、様々なアクションを追加でしていできます。

例えば、カメラに表示されているアセットをタップすれば動き出すや、カメラが近づいたら動き出すといったアニメーションが可能。

複数のアセットを1つの空間に配置できますので、ジオラマを組み立てる感覚で誰でも簡単にARコンテンツの制作が実現できるでしょう。

作品の共有も可能

制作したARコンテンツは、自由に他者と共有できます。

他のクリエイターやクライアントに体験してもらうことで、今後の作品づくりに活かせるかもしれません。

共有方法についても簡単であり、PDFなどのファイルを共有する感覚と大差ありません。

そのため、業界によっては3Dプリントする前に3DデータをARで共有し、チームで確認するなどの用途も考えられるでしょう。

他にも家具やセットといった、大掛かりなものの配置をARで共有しながら確認するなど、非常に便利な使い方が期待されます。

|Adobe Aeroの可能性

Adobe Aeroは誰でも簡単にARを制作でき、世界中の人たちと共有できます。

そのため、その活用の可能性は非常に幅広く、様々な業界や分野における活用が期待されています。

「ポケモンGO」のように、位置情報を利用したゲームの登場もその1つでしょう。

他にも、スポーツ観戦の現場において、グラウンドにいる選手をスキャンするだけで、選手紹介や直近の成績をリアルタイムで表示できます。

また実物大の家具といった簡単に持ち運べないものもARを投影することで、実際に部屋に置いた時の雰囲気や色味のイメージが簡単になります。

ARによってこれまでスマホ画面に収まってた情報の数々が、カメラを通じて現実世界とリンクします。

このような技術を誰でも簡単に扱えるAdobe Aeroは、今の私達が想像もできないようなイノベーションを起こす可能性を秘めているのです。

AR市場も伸長が予測されている

AR市場についても、今後大きな伸長が予測されている分野になります。

ARに関連する機器の出荷台数は年々伸び続けており、2021年には113%、2022年には409%、そして2023年には320%と爆発的な数字をみせています。

コロナ禍も後押しした要因であると考えられますが、世界的に有名な企業がARを活用した技術の開発に取り組んでいる面も大きいでしょう。

例えば、アメリカのスタートアップ企業であるMojo Visionは、ディスプレイ内蔵型のスマートコンタクトレンズを発表しています。

このコンタクトレンズを装着すれば、視界の中に情報が映し出され、日頃利用する公共交通機関の運行状況などを知ることができます。

現在、ARと繋がる手法のメインはスマホ画面ですが、今後はコンタクトレンズのようなデバイスに変化していくかもしれません。

そうなった時、AR市場はさらなる伸長を遂げることになるはずです。

|まとめ

Adobe Aeroについて、その基本的な概要から使い方、さらには今後の可能性について解説してきました。

スマホ画面を通じて現実世界を拡張させるARは、一見すると非常に難しく複雑な知識が必要と感じてしまいます。

しかし、Adobe Aeroを利用すれば誰でも簡単に、最新のAR技術に触れられます。

さらに、自由自在にARを構築できるだけではなく、その作品を世界中の人たちと共有できるのです。

今後の可能性が期待されるARですが、数年後にはより身近な技術となっているかもしれません。

iPhoneであればアプリのダウンロードは無料ですので、少しでも興味がある方はぜひ一度お試しされることをおすすめします。