2026年2月21日(土)、メタバースプラットフォーム「XR CLOUD」にて、通算8回目となる「メタバース模擬裁判」が開催されました。
「裁判」と聞くと、少し難しくて遠い存在に感じる方も多いかもしれません。
しかし、「メタバース模擬裁判」では、刑事司法未来の「すべての市民が裁判を体験している社会の実現」という理念のもと、メタバースという誰もが時間の壁、距離の壁を気にせずアクセスできる場所で、気軽に裁判を体験することができます。
今回は、気になるメタバース上の裁判所の法廷で行われる裁判、「メタバース模擬裁判」についてご紹介します。
目次
■そもそも「メタバース模擬裁判」って?
「メタバース模擬裁判」は、一般社団法人 刑事司法未来(CJF), 株式会社TKC,monoAI tehnology株式会社が共同で推進しているプロジェクトで、XR CLOUD上の仮想空間に、裁判官・裁判員席、弁護人席、検察官席、証言台、被告人席、傍聴人席、評議室などが忠実に配置された裁判所の「バーチャル法廷」を構築し、実際の裁判の流れを体験できるイベントです。

最大の特徴は、単に見学するだけでなく、参加者はシステム上で視点を自由に切り替えることが可能です。「裁判官の視点」から法廷全体を見下ろしたり、「弁護士の視点」で検察側と対峙したりと、多角的な視点で事件を追えるのもメタバースならではの面白さです。
また、主要な登場人物はすべて現役の舞台俳優が演じています。 台本に基づいたプロの迫真の演技により、アバター越しとは思えないほどの緊迫感が法廷を包み込みます。


■今回のテーマは「保険金詐欺放火被告事件」
第8回となる今回は、実行犯宅への放火と保険金詐欺未遂の共同正犯の疑いをかけられた被告人の裁判です。
最大の争点は、火災の原因が「モバイルバッテリーの自然発火」なのか、それとも「着火剤を用いた意図的な放火」なのかという点。検察官と弁護人がそれぞれの証拠をもとに鋭く対立し、手に汗握る議論が展開されました。

■まるで資料を手に取っている感覚!最新の「双方向体験」
裁判中に示される現場の見取図や証拠品の写真は、法廷内の大型パネルに随時画面共有されます。
参加者は傍聴しながら、自分のデバイス上でその資料を自由に拡大表示することができ、証拠の細部までをまさに「手に取るように」確認できます。
最後には裁判員の一員として有罪・無罪の投票に参加し、能動的に裁判に関わる体験を楽しみました。


■専門家による「事後解説」
裁判終了後には、一般社団法人刑事司法未来の代表理事であり、龍谷大学名誉教授・弁護士でもある石塚伸一氏による詳細な解説が行われました。
実際の法制度に照らし合わせた論点の整理や、メタバース法廷がもたらす心理的効果など、専門的な知見から語られるお話に、参加者の皆さんも深く聞き入っていました。
また当日は、法律系VTuberじゃこにゃーによる同時実況LIVE中継も行われ、さらに理解が深まるアプローチとして注目されました。LIVE中継録画は、以下のYoutubeから視聴できます。
■これまでの実績と広がる可能性
2023年にスタートしたこのプロジェクトは、これまでに多様なテーマを扱ってきました。
- 麻薬及び向精神薬取締法違反事件(2025年8月9日開催): 大学生による大麻所持を題材とし、違法薬物の身近なリスクや刑事責任の在り方を問う模擬裁判を開催。若年層にも関心の高いテーマ設定により、リアリティのある司法体験を提供しました。
- 文学模擬裁判(2025年3月21日開催): 芥川龍之介の『羅生門』を題材に、高校生たちが検察側、弁護側の立場に立って立証・弁護活動を行う模擬裁判を実施しました。登場人物の行為が「強盗罪」に当たるのか、あるいは「緊急避難」が成立するのかをめぐり、白熱したディベートを展開しました。
このように、法教育の枠を超えた新しい学びの形として、着実に実績を積み重ねています。
■おわりに
メタバースには、場所や時間の制約を超えて、誰もがフラットに司法を体験できる可能性が広がっています。
この新しい場所が、これからの裁判や学びのスタンダードになる日も、そう遠くないかもしれません。
■もっと司法を身近に!Podcast「丸ちゃん教授のツミナハナシ」
最後に、司法や犯罪に興味がある方に向けて、一般社団法人刑事司法未来(CJF)が配信している「丸ちゃん教授のツミナハナシ」というPodcast番組をご紹介します。
「丸ちゃん教授のツミナハナシ」は、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説するトークプログラムです。
「市民が多角的に犯罪の現象を考えるきっかけになってほしい」という思いのもと、大学教授を中心に構成された一般社団法人刑事司法未来のメンバーがお送りしています。
番組内では、犯罪学の観点から、「罪」と「罰」に関する理解が深まるエンタメ作品を紹介するなど、これまで全く「罪」と「罰」について学んでこなかった方々にも親しみやすい形で、犯罪学についてお伝えしていきます。
刑事政策・犯罪学を専門とする大学教授で一般社団法人 刑事司法未来の丸山泰弘がホストをつとめます。
こちらを聞けば普段見るニュースの解像度がぐっと上がること間違いなしです!
ぜひチェックしてみてください。
【ご視聴はこちらから】
【本件に関する主催団体】
● 一般社団法人 刑事司法未来
本件、メタバース法廷および模擬裁判に関するお問合せは、以下のサイトのお問い合わせからお願いします。
● 株式会社TKC
https://www.tkc.jp/law/lawlibrary
● monoAI technology株式会社
























