教育現場へのGIGAスクール端末普及に伴い、「学校のパソコンでロブロックスを利用したい」という生徒や、活用を模索する教員からの関心が高まっています。
しかし結論から申し上げますと、学校配備の標準的な端末環境において、ロブロックスを快適かつ安全に動作させることは非常に困難です。
その背景には、単なる校則による禁止だけでなく、セキュリティフィルターの仕様、端末のGPUスペック不足、そしてネットワーク帯域の圧迫といった、回避が難しい技術的な理由があります。
本記事では、学校のパソコンでロブロックスが利用できない技術的理由と、無理に利用しようとした場合に生じるセキュリティリスクについて、解説していきます。

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学校のパソコンでロブロックスが動かない3つの理由
学校で支給されているパソコンやタブレット端末において、ロブロックスが正常に動作しない、あるいはアクセスできないケースが大半を占めます。
これは単なる設定ミスではなく、学校という特殊な環境におけるセキュリティとインフラ設計に起因する、3つの技術的な理由が存在するためです。
1.フィルタリングとセキュリティポリシーによる遮断
最も大きな要因は、教育機関特有の強固なネットワークセキュリティです。
学校のネットワークは、生徒を有害な情報やトラブルから守るため、教育委員会や学校管理者が導入した「Webフィルタリングソフト」によって厳格に管理されています。
この図のように、学校の内部ネットワークと外部のインターネットの間には「ファイアウォール」と呼ばれる壁が存在し、許可されていない通信を遮断しています。
ロブロックスはゲームプラットフォームであると同時に、不特定多数のユーザーとチャットで交流できるSNS的な機能を有しています。
そのため、多くのフィルタリングソフトにおいて「ゲーム」または「SNS・掲示板」のカテゴリに分類され、アクセス制限の対象として自動的にブロックされる設定になっているのが一般的です。
ブラウザ版でのアクセスを試みても、ドメイン自体がブラックリストに登録されているため、接続エラー画面が表示されることになります。
2. 端末スペック(GPU)の限界
仮にフィルタリングを通過できたとしても、次に立ちはだかるのがハードウェア性能の壁です。
GIGAスクール構想で標準的に配備されている端末(ChromebookやエントリーモデルのiPad、Windows PC)は、主に文書作成やWebブラウジング、動画視聴といった学習用途に最適化されています。
これらの端末は、バッテリー持ちやコストパフォーマンスを重視しており、3Dグラフィックスを滑らかに描画するための高性能なGPU(画像処理半導体)を搭載していません。
ロブロックスは、ユーザーが作成した広大な3D空間をリアルタイムで描写する必要があり、意外にも高いグラフィック処理能力を要求します。
GPU性能が不足している学習用端末で無理にロブロックスを起動しようとすると、画面がカクつく、動作が非常に重くなる、あるいは熱暴走を防ぐためにアプリが強制終了するといった現象が発生します。
3. 通信帯域(ネットワーク)への負荷
3つ目の理由は、学校全体の通信インフラへの影響です。
ロブロックスのようなオンラインマルチプレイゲームは、キャラクターの動きやチャットの内容など、常にサーバーと膨大なデータの送受信を行っています。
学校のインターネット回線は、数百人の生徒が一斉に授業で利用することを前提に設計されていますが、それはあくまでWeb閲覧やクラウド上のファイル操作を想定したものです。
大容量のデータ通信を行うオンラインゲームが多数接続されると、限られた通信帯域(ネットワークの道幅)を一気に占有することになります。
もし一部の生徒がロブロックスを利用して帯域を圧迫すると、他の教室で行われているオンライン授業が途切れたり、調べ学習の検索ができなくなったりと、授業進行や学校業務に悪影響を及ぼしかねません。
こうした「帯域圧迫」を防ぐため、ネットワーク管理の観点からも、データ通信量の多いゲームサービスへの接続は技術的に制限されているのです。
基本的に裏ワザや抜け道が使えない理由
インターネットで検索をすれば、学校の規制を回避してサイトに接続する「裏ワザ」や、ブロックされていない「プロキシサイト」の情報が見つかるかもしれません。
技術的な観点から、なぜやってはいけないのかリスクを解説します。
「バレていない」は大きな間違い
子どもが隠れて遊んでいるつもりでも、学校の管理者には「すべて見えている」という事実です。
学校のサーバーやネットワーク機器には、「アクセスログ」という通信の記録が常に保存されています。
これは、いつ、誰が、どの端末を使って、どんなWebサイトにアクセスしようとしたかが記録される、監視カメラの映像のようなものです。
たとえ特殊なサイトを経由して画面上はブロックを回避できたとしても、その通信の履歴自体はログにしっかりと残ります。
先生たちがその場ですぐに注意をしなかったとしても、後からログを確認すれば、不正なアクセスを試みた事実が明白になります。
セキュリティリスクの正体
抜け道を使うことによる、深刻なセキュリティリスクも重要です。
「ブロック解除」や「学校でゲームができる」と謳っている非公式のサイトや拡張機能は、決して親切心だけで運営されているわけではありません。
そうしたサイトの中には、アクセスした端末にウイルスを送り込んだり、入力されたIDやパスワードを盗み取ったりする悪質なプログラムが仕込まれている場合があります。
もしそういった悪質なウイルスに感染してしまった場合、自分の成績データや課題が消えてしまうだけでなく、学校全体のネットワークにウイルスが広がり、他の生徒や先生の個人情報が流出するような大事故に繋がる恐れもあります。
ロブロックスを授業で活用するのは難しい?
生徒の創造性やプログラミング的思考を育む教材として、ロブロックスの導入を検討される先生方も増えています。
しかし、実際に学校の標準的なICT環境でこれを授業に組み込もうとすると、運用面で高いハードルが存在するのも実情です。
ここでは、すでに多くの学校で導入されている「Minecraft Education(教育版マインクラフト)」との比較などを通じて、その理由を具体的に解説します。
「Minecraft Education」との管理機能の違い
学校導入における最大の課題は、アカウント管理と安全性の担保です。
教育版マインクラフトの場合、学校向けのライセンス体系が整備されており、Microsoft 365のアカウントと連携した一元管理が可能です。
これにより、教師は生徒がアクセスできるワールドを制限したり、クラス全員を一斉に制御したりといった「教室管理機能」を利用できます。
一方で、ロブロックスは基本設計が一般消費者(コンシューマー)向けのプラットフォームです。
教育利用を想定した管理コンソール機能は限定的であり、生徒一人ひとりが個別にアカウントを作成・管理する必要があります。
授業中に生徒が不適切なコンテンツにアクセスしたり、外部のユーザーと接触したりするリスクを、教師側で完全にコントロールすることがシステム上困難である点は、導入における大きな懸念材料となります。
導入の壁となる「ホワイトリスト申請」
次に立ちはだかるのが、教育委員会やネットワーク管理者に対する申請手続きの複雑さです。
前述の通り、学校のネットワークでは厳格なフィルタリングが適用されています。
ロブロックスを利用するためには、そのドメインや通信ポートをブロック対象から除外(ホワイトリスト登録)してもらう必要があります。
しかし、セキュリティリスクの説明責任を負う管理者側にとって、SNS機能を持つゲームプラットフォームの規制を緩和することは容易な判断ではありません。
「なぜ他のプログラミング教材ではなくロブロックスでなければならないのか」という教育的意義と、「セキュリティリスクをどう担保するのか」という運用ルールを明確に提示できなければ、許可を得ることは現状は難しいと言えるでしょう。
「ロブロックス スタジオ」の動作要件
さらに技術的な問題として、プログラミング学習の核となる開発ツール「Roblox Studio」の動作環境が挙げられます。
ロブロックスの教育的価値が高いとされるのは、自分でゲームを作る体験ができる点にありますが、この制作ツールはWindowsやMacにインストールして使用するアプリケーションです。
GIGAスクール構想で広く普及しているChromebook(ChromeOS)やiPadには、このアプリケーションをインストールすることができません。
ブラウザ上で動作するのはあくまで「プレイ」の部分のみであり、「制作(プログラミング)」を行うには、より高性能なPCを用意するか、特殊な仮想環境を構築する必要があります。
既存の端末環境そのままでプログラミング授業を行うことは、ハードウェアの仕様上、事実上不可能に近いケースが多いのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか
今回はロブロックスが学校のパソコンでプレイできるかどうか、様々な観点から解説しました。
ロブロックス自体は決して悪いものではありません。
世界中のユーザーが作ったゲームを遊んだり、自分でゲームを作ったりすることは、創造性やデジタルの感性を育む素晴らしい体験です。
だからこそ、ロブロックスを楽しむのであれば、十分な性能を持った家庭用のパソコンやスマートフォンを利用する方が適しています。
「学校では学習のためのツールを使い、家では自由な表現を楽しむ」
このように、場所や端末の目的に合わせてデジタル機器を正しく使い分ける能力こそが、これからの社会で求められる本当の意味でのITリテラシーと言えるでしょう。
大人の立場としても、単に「禁止」と伝えるだけでなく、こうした「機器の特性と役割の違い」を生徒たちに伝える機会として、本記事の内容をお役立ていただければ幸いです。
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