世界中でZ世代やα世代を中心に人気を博しているRobloxは、新たなマーケティングチャネルへと成長しています。
本記事では、メタバース空間に自然に溶け込むImmersive Adsや検索連動型広告など、企業が出稿可能なRoblox広告について解説します。
広告の種類や費用感、出稿のメリットなど、若年層への新たなアプローチ手段として活用するための基礎知識を網羅しましたので、ぜひ参考にしてください。

ユーザーの記憶に残る次世代のプロモーション!体験型コンテンツ制作『monoNITE』
サービスの特徴や導入事例をまとめた資料をご用意しました。

monoNITEサービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
資料をダウンロードする目次
Roblox(ロブロックス)広告とは?
Robloxにおける広告の主流は「Immersive Ads(没入型広告)」と呼ばれ、その名の通りユーザーの没入感を阻害しない形式で提供されています。
Web広告の多くは、ユーザーがコンテンツを閲覧している最中に画面を遮るポップアップや、記事の途中に挿入されるバナーとして表示されるため、煩わしさを感じられることも少なくありません。
しかし、Robloxの広告は、3D空間の中に「オブジェクト」として自然に配置されるのが特徴です。
例えば、メタバース内の街並みにあるビルの看板や、バス停のポスター、あるいは空間内にあるモニターといった形で表示されます。
ユーザーはゲームやコミュニケーションを楽しんでいる最中に、現実世界で街頭広告を目にするのと同じ感覚で、自然と企業のメッセージに触れることになります。
このように、ユーザーのプレイ体験(UX)を中断させない表示形式であるため、広告に対する嫌悪感を抱かれにくいという利点があります。
企業は、ブランドの世界観を維持したまま、Robloxのメインユーザー層であるZ世代やα世代に対して、違和感なくアプローチすることが可能です。
目的別に選べる!Roblox広告の種類
Robloxの広告メニューは、大きく分けて「3D空間内に表示される没入型広告(Immersive Ads)」と、ゲーム選択画面や検索結果に表示される「スポンサー体験(Sponsored Experiences)」の2系統が存在します。
企業がRobloxを活用する際は、単に露出を増やすだけでなく、「認知を高めたいのか」「自社のワールドへ集客したいのか」という目的に合わせてフォーマットを選定することが重要です。
ここでは、主要な4つの広告メニューについて、その特徴と推奨される活用シーンを詳しく解説します。
動画広告(Video Ads)

出展:Roblox
ブランドの世界観を視覚と聴覚でリッチに伝えたい場合に適しているのが、Immersive Adsの一種である動画広告です。
このフォーマットでは、メタバース空間内の建物や看板に設置された仮想スクリーンへ、最大30秒程度の動画を配信することができます。
ユーザーはゲームプレイ中に、現実世界の街頭ビジョンやデジタルサイネージを見るような感覚で、自然に動画広告を目にします。
クリックして遷移させることよりも、プレイ中の風景の一部として印象に残すことに特化しており、テレビCMのようなブランディング効果が期待できます。
既存のCM素材やSNS用の動画素材を流用しやすいため、クリエイティブ制作の工数を抑えつつ、若年層への認知拡大を図りたい企業に最適なメニューです。
画像広告(Image Ads)

出展:Roblox
コストを抑えながら、ロゴや商品パッケージを繰り返しユーザーの目に触れさせたい場合には、画像広告が有効です。
こちらもImmersive Adsの一種で、3D空間内の壁面やオブジェクトの表面に、静止画のポスターとして表示されます。
動画広告に比べて情報量は劣りますが、ユーザーが空間内を移動するたびに視界に入るため、単純接触効果による親近感の醸成が期待できます。
新商品のパッケージデザインの認知や、企業ロゴの刷り込みを目的とする場合、風景に溶け込むこの形式は、ユーザーにストレスを与えずにマーケティング活動を行う手段となります。
ポータル広告(Portal Ads)
自社で制作したワールド(体験)への集客を最優先する場合、最も強力な手段となるのがポータル広告です。
これはImmersive Adsの中で唯一、ユーザーを物理的に移動(テレポート)させる機能を持っています。
広告配信先の空間内に「ドア」のようなポータルが出現し、ユーザーがその中に入ると、企業が指定したワールドへと瞬時に転送されます。
単なるバナーリンクとは異なり、ユーザー自身の「入ってみよう」という意思決定とアバターの移動アクションを伴うため、遷移後のエンゲージメントが高くなりやすい傾向があります。
スポンサー体験(Sponsored Experiences)

出展:Roblox
Immersive Adsとは異なり、ユーザーが「次に遊ぶゲーム」を探しているタイミングでアプローチできるのが、スポンサー体験です。
これは、Robloxのホーム画面や検索結果ページの専用枠に、自社のワールドをサムネイル付きで表示させる形式です。
Webマーケティングにおける「リスティング広告」や「アプリストア内の検索連動型広告」に近い性質を持っています。
ワールドを公開した直後など、オーガニック検索での流入がまだ期待できない時期に、強制的に露出を増やして初動のユーザーを獲得するために利用されます。
特定のジャンルに興味を持っているユーザーに対して、能動的にプレイの選択肢として提示できるため、確度の高いユーザーを獲得しやすいのが特徴です。
Roblox広告にかかる費用と課金形態
Robloxへの広告出稿を検討する際、多くの担当者が懸念するのは「いくらかかるのか」という費用感と、その支払い方法です。
結論、Robloxの広告は入札形式(オークション制)で価格が決定されるため、固定の掲載料金表というものは存在しません。
ここでは、企業が出稿する際に知っておくべき通貨の仕組みと、課金形態について解説します。
支払い方法は?
まず、最も重要な点は、広告費の支払いに「Robux(ロバックス)」という仮想通貨を使用しないケースが一般的になりつつあることです。
これまでRoblox内での決済といえば、Robuxが主流でしたが、企業向けの広告配信プラットフォーム「Ads Manager」では、「広告クレジット(Ad Credits)」という仕組みが採用されています。
広告クレジットは、クレジットカードやデビットカードなどの法定通貨(日本円や米ドルなど)で直接購入してチャージするものです。
これにより、企業は仮想通貨を管理・購入する手間を省き、一般的なWeb広告と同様に経理処理を行いやすくなっています。
課金形態は?
次に、具体的な課金形態(入札方式)ですが、主に以下の2つの指標が用いられます。
- CPM(インプレッション課金)
一つ目は、動画広告や画像広告で採用されている「CPM(インプレッション課金)」です。
これは広告が1,000回表示されるごとのコストを入札する形式で、多くのユーザーに認知を広げたい場合に適しています。
- CPC(クリック課金)/ CPTP(Cost Per Teleport:テレポート課金)
二つ目は、ポータル広告やスポンサー体験などで採用される「CPC(クリック課金)」や「CPTP(Cost Per Teleport:テレポート課金)」です。
こちらはユーザーが実際にポータルに入ったり、ゲームをクリックしたりした場合にのみ費用が発生するため、費用対効果を重視する獲得目的の施策に向いています。
最低出稿金額については、比較的低額から設定が可能となっており、数千円から数万円程度の少額予算でテストマーケティングを行うことも可能です。
このように、Roblox広告は従来のマス広告のような高額な初期投資を必要とせず、Web広告に近い感覚で、予算に合わせた柔軟な運用が可能な媒体となっています。
企業がRobloxに広告を出す3つのメリット
数あるデジタルマーケティングの手法の中で、なぜ今、多くのグローバル企業がRobloxへの出稿を加速させているのでしょうか。
ここでは、企業がRoblox広告を活用すべき3つの主要な利点について解説します。
①Z世代・α世代への圧倒的なリーチ力
最大のメリットは、テレビや既存のSNSから離れつつある若年層(Z世代およびα世代)に対して、確実にアプローチできる点です。
現在、世界中で毎日数千万人以上のアクティブユーザーがRobloxを利用しており、その半数近くを13歳未満のユーザーや10代が占めています。
彼らにとってRobloxは単なるゲームではなく、友人と会話をし、遊び、時間を過ごす「放課後の公園」のような生活の一部となっています。
従来のテレビCMや新聞広告、あるいはFacebookなどの大人向けSNSでは接触することすら難しかったこの層に対し、生活動線の中で自然にブランドを認知させることができます。
将来の優良顧客となり得る若年層との接点を早期に構築できることは、中長期的なブランド戦略において他にはない価値となります。
②嫌悪感を抱かれにくい「ネイティブ」な表示
二つ目のメリットは、広告がユーザー体験を阻害しないため、ブランドに対するネガティブな感情を持たれにくいことです。
YouTubeなどの動画サイトやWebメディアでは、コンテンツの視聴を強制的に中断させる広告が多く、ユーザーに「邪魔だ」という印象を与えてしまうリスクが常にあります。
しかし、前述の通りRobloxのImmersive Adsは、メタバース空間内の看板やポスターとして風景に溶け込む形で表示されます。
ユーザーは自分のペースでゲームを楽しみながら広告を目にするため、心理的な拒絶反応が極めて低くなります。
むしろ、クオリティの高い広告クリエイティブや、世界観にマッチしたポータルは、ゲーム体験を盛り上げる要素として好意的に受け入れられるケースも少なくありません。
③精度の高いターゲティング設定
三つ目のメリットは、ユーザーの属性や行動履歴に基づいた詳細なターゲティングが可能な点です。
Robloxの広告システムでは、年齢、性別、使用デバイス(スマホ、PC、コンソールなど)といった基本的なデモグラフィック情報によるセグメントが可能です。
これに加え、さらに強力なのが「ゲームジャンル」によるターゲティングです。
Roblox内には、アクション、シミュレーション、ロールプレイング、ファッションなど、多種多様なジャンルのゲームが存在します。
例えば、アパレルブランドであれば「ファッション系ゲーム」を好むユーザーに、食品メーカーであれば「レストラン経営ゲーム」をプレイするユーザーに絞って広告を配信することができます。
これにより、自社の商材に興味を持ちそうな層に対してピンポイントで予算を投下でき、無駄な露出を抑えて高い費用対効果(ROI)を実現することが可能です。
出稿前に知っておくべき注意点とガイドライン
Robloxは子供たちが安全に遊べる場所であることを最優先事項としているため、広告出稿に関するルールは一般的なSNSよりも厳格に設定されています。
安易な気持ちで出稿準備を進めると、審査落ちやアカウント停止のリスクがあるため、事前に重要なガイドラインを把握しておく必要があります。
「13歳未満のユーザー」に対する広告表示の制限
Robloxは児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)などの国際的な規制を遵守しており、13歳未満のユーザーに対しては、行動ターゲティング広告などの表示が制限される仕様になっています。
そのため、マーケティング戦略を立てる際は、基本的に「13歳以上のユーザー」が主な配信対象になると想定してプランニングを行うのが賢明です。
「小学生に流行っているから」という理由だけで、児童に向けた直接的な訴求を計画しても、システム上アプローチできない可能性があることを理解しておく必要があります。
クリエイティブに関する「コミュニティ基準」の遵守
当然ながら、暴力的な表現、ギャンブル、出会い系、危険な行為を助長するようなコンテンツは禁止されています。
さらにRoblox特有の注意点として、「QRコード」や「外部URL」の記載に対しても厳しい制限があります。
Robloxはプラットフォーム内での体験を完結させることを推奨しているため、広告画像の中に外部サイトへ誘導するURLやQRコードを含めると、審査で否認されるケースが多くあります。
また、ユーザーを騙すような「クリックベイト(釣り)」表現や、「無料でRobuxがもらえる」といった詐欺的な訴求は、即座にアカウント停止の対象となります。
企業としてのブランド毀損を防ぐためにも、出稿前には必ず公式サイトにある最新の「広告基準(Advertising Standards)」に目を通し、クリーンなクリエイティブ制作を心がけることが成功への近道です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、メタバースプラットフォーム「Roblox」における広告の仕組みや、企業が出稿可能な具体的なメニュー、そして費用感について解説しました。
Roblox広告は、単なる認知獲得の手段にとどまらず、Z世代やα世代といった若年層ユーザーを、自社のブランド体験へと深く巻き込むことができる強力なツールです。
特に、空間内に自然に溶け込む「Immersive Ads」や、自社ワールドへ誘導する「ポータル広告」を効果的に組み合わせることで、従来のWeb広告では実現できなかった深いエンゲージメントを生み出すことが可能です。
しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、独特の課金システムや厳格なガイドライン、そして何より「ユーザーを楽しませる体験設計」が不可欠です。
ユーザーの記憶に残る次世代のプロモーション!体験型コンテンツ制作『monoNITE』
サービスの特徴や導入事例をまとめた資料をご用意しました。

monoNITEサービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
資料をダウンロードする





















