2022年末に登場した言語生成AIであるChatGPTは日本中の関心を集め、本格的なAI時代の到来を多くの人に知らしめました。
まるで人間が書いたかのような自然な文章を瞬時に生み出す能力は、文字通り人間離れしています。
ChatGPTが持つ高い能力を、既に仕事やプライベートなどで活用しているという方も多いでしょう。
そして、ChatGPTは2023年3月に「ChatGPT API」をリリースし、様々なアプリケーションと連動させることが可能になりました。
ChatGPTが持つ高い能力をより幅広い場面で活用できるようになったことで、我々の生活はより便利で豊かなものになりつつあります。
そして、その活用の場面はプログラミングといった専門的な分野にも及びます。
プログラミングの現場で使用される言語は多数存在しますが、中でも注目を集めているものが「Python」です。
現在主流となりつつある機械学習やAI開発に向いていることから、Pythonを学ぶ人が急増しているのです。
本記事では、高性能AIであるChatGPTと人気プログラミング言語であるPythonの概要から連携について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
|ChatGPTの基本概要
ChatGPTは米国企業であるOpenAIが開発した、対話型のチャットモデルです。
人間が入力した内容に応じて、適切かつ自然な文章で即座に反応します。
英語や日本語だけではなく、中国語からフランス語、アラビア語まで50以上の言語に対応しており、様々な分野で活用されています。
さらに、チャットを通じたテキストコミュニケーションだけではなく、現在では画像を通じた問答も可能になっております。
2023年に入り日本国内で大きな注目を集めたChatGPTは、日常の幅広い分野において活用され始めています。
例えば、企業の問い合わせフォームにChatGPTを利用し、顧客からの質問に対し自動返信するといったものです。
企業は人員削減だけではなく、現場の業務効率化にも繋がるため、大きなメリットを受けられます。
また、有料版である「GPT‐4」は、質問に対する返答精度が大幅に向上しました。
リリース当初は間違いの情報が多く含まれていましたが、正確な返答が返ってくるようになったことで調べ物への活用も可能となったのです。
プログラミングへの活用が可能
ChatGPTが生成できる言語は、コミュニケーションに必要となる日常会話だけではありません。
なんとプログラミング言語にも対応しているのです。
前述した通り、通常言語では日本語や英語といった各国50以上の言語に対応しています。
同様に、プログラミング言語はJavaやC言語、JavaScriptといった主要な言語はもちろん、SwiftやKotlinといったモバイルアプリ向けの言語や、R言語、MATLABなど数理系に特化した言語にも対応しているのです。
その中には当然、現在AI開発現場で活用されているPythonも含まれます。
プログラミングに対する知識が乏しい方でも、ChatGPTを通せば遥かに簡単にプログラムの構築が可能。
ChatGPTに対して実行したい処理のイメージ、使用する言語を伝えるだけで、適切なコードが出力されるのです。
また、既存のコードをChatGPTに入力すれば、それぞれの内容解説もしてもらえます。
そのため、ChatGPTを通じたプログラミング学習も可能となるでしょう。
ChatGPTについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
|人気プログラミング言語であるPython
ChatGPTも対応しているプログラミング言語Pythonは、AIやアプリ開発といった様々な分野で活用されています。
その歴史は古く、1991年にオランダ出身アメリカ人であるグイド・ヴァン・ロッサムによって開発されました。
Pythonが人気を集める理由は複数ありますが、主に以下の内容があげられます。
- コードが書きやすい
- コードを記述する時間を短縮できる
- エラー発生箇所が見つけやすい
- コードが読みやすく、修正対応が簡単
- 複数人での記述を統一しやすい
Pythonはその他プログラミング言語と比較して、コード記述がシンプルです。
記述量が少ないということは、それだけ簡単に覚えられる上に、作業自体も楽になります。
こういった複数の理由から、Pythonは現在でも人気を集めるプログラミング言語なのです。
AI開発において利用されている
幅広く活用されているPythonですが、中でも近年注目を集めている分野がAIや機械学習です。
AI開発には高度な数値計算や、ディープラーニングに使用するライブラリを用意しなければいけません。
そこで、Pythonが持つ科学計算に関するライブラリが活用されるのです。
以前は「R言語」の方が優れたライブラリを所有していたのですが、現在はPythonの方が優位に立っています。
様々なAI技術を支えるPythonですが、なんとChatGPTの開発も行っています。
今後も私達の生活を豊かにするAI技術がPythonによって生み出されていくでしょう。
|ChatGPTとPythonを連携させる
プログラミング言語を記述できるChatGPTと、AI開発ができるPython。
その両者を連携させることで、圧倒的な効率性を実現できます。
以下の項目に沿って、連携の流れを解説していきます。
- ChatGPTのAPIキーを発行
- Pythonにて実行
- ChatGPTの利用料金
ChatGPTのAPIキーを発行
ChatGPTは2023年3月にAPIをリリース。
これによって様々なサービスとChatGPTを連携することが可能になったのです。
連携のためにはまず、「APIキー」を取得する必要があります。
そのため、まずはOpenAIへアクセスし、自身のアイコンをクリックした後、「View API keys」へと進みましょう。
そして、「Create new secret key」を選択することで、APIキーが表示されます。
このキーは一度しか表示されませんので、誤って消去してしまわないよう注意しましょう。
APIキーに記述されている「YOUR API KEY」には、取得したキーを入力します。
しかし、パソコンを共有しているなど他者に見られる可能性がある場合は、直接書き込まないようにしましょう。
その場合、「openai.api_key = os.getenv(“環境変数名”)」のように読み込むといった工夫をおすすめします。
Pythonにて実行
ChatGPTのAPIキーを取得しましたら、Pythonとの連携をすすめます。
openaiのライブラリをインストールし、Pythonファイル上においてopenaiをインポートしましょう。
その後APIキーを設定し、チャットを書き出すAPIコードを記述していきます。
ChatGPTのAPIは、主に以下のモデルが存在しています。
- gpt-3.5-turbo:最新モデルに自動更新される
- gpt-3.5-turbo-0301:2023年3月1日時点で固定
想定する作業に適した任意のモデルを選択しましょう。
ChatGPTとPythonを連携させることで、おおまかなコード記述を行うだけで続きを考えてもらえます。
さらに、構築したアプリからもChatGPTを呼び出せるなど、格段に利便性が向上するのです。
ChatGPTの利用料金
ChatGPTは通常無料で利用できますが、API連携には一定の料金が発生します。
gpt-3.5-turboの場合、1000トークンあたり0.002ドル(約0.26円)程度必要となり、金額は利用に応じて加算されていきます。
トークンとは単語あたりの区切りに応じて計算されますが、日本語の場合はひらがら1文字で1トークンとなります。
漢字の場合は2〜3トークン程度になりますので、やり取りする回数と文字数が増えればその分金額も大きくなります。
一般的に英語よりも日本語の方が、トークン数は多くなる傾向にあります。
利用するサービス内容に応じて、おおよその利用料金を試算しておくことをおすすめします。
|まとめ
本格的なAI時代を到来させたChatGPTと、現在数多くのAI開発に活用されているプログラミング言語Pythonの概要、さらには両者の連携について解説しました。
Pythonは数多くのAIサービスを支えており、ChatGPTの開発にも利用されています。
これからプログラミング言語を学びたいと考える場合、Pythonは最もおすすめといえる選択となるかもしれません。
そんなPythonとChatGPTを連携させれば、学習速度は格段に向上するはず。
効率よく学習しプログラミング言語を身につけるために、最新のAI技術を活用してみてはいかがでしょうか。