仮想現実(VR)や拡張現実(AR)が日常に溶け込む中、ブラウザ特化のメタバースプラットフォーム「Spatial」が注目を集めています。
ブラウザ上で気軽にアクセスできるSpatialは、手軽さ、利便性、そして高い没入感から、多くのユーザーを獲得しています。
本記事では、そんなSpatialを活用した8つの事例をご紹介します。
Spatialを活用することでどのような効果をもたらすのか、ぜひご覧ください。
目次
|Spatialとは
「Spatial」とは、アメリカのスタートアップ企業が提供するメタバースプラットフォームです。
パソコンやスマートフォンからアクセス可能で、商用利用も可能です。
ユーザーは無料で空間を制作できますが、有料プランでは最大利用人数の変更や参加者管理機能が利用できます。
さまざまなイベントや展示会、セミナーなどのビジネス活用や一般向け企画が行われる他、MetaMaskとの連携により、NFTの読み込みや販売・購入も可能です。
したがって、Spatialはイベント参加やワールドの公開、VR会議、NFTの利用など、多岐にわたる活動が可能なメタバースプラットフォームとして注目されています。
詳しくは、こちらの記事も参考にしてくださいね。
|Spatialの活用事例8選
マルチな活用方法が特徴的で、様々なイベント開催や企業の販促に利用されるSpatialですが、実際に行われた8つの事例について、以下でご紹介します。
日本メタバースEXPO
2022年8月に開催された日本メタバースEXPOは、Spatialを活用して開催されました。
このイベントは、企業や個人が、メタバースをいかに実現してビジネスに活かしているか、その方法や技術を一堂に出展する展示会です。
展示会では、Spatialを活用したセミナーやワークショップ、音楽ライブなど、さまざまなコンテンツが提供されました。
また、メタバースビジネスや、コミュニケーションツールの新たな可能性を開拓する具体的な事例が示されました。
参加者は、実際の事例を通じてメタバースの利点や課題を理解し、自らのビジネスやプロジェクトに活かすヒントを得ることができました。
Japan NFT expo
「Japan NFT expo」は、日本国内のビジネス特化型NFTプロジェクトの展示会で、WEB3時代の地方創生に貢献することを目指して開催されました。
このイベントでは、NFTが単なる投機対象ではなく、関係人口構築や品質管理、農業、小売り、伝統工芸、医療など様々な分野でどのように活用されているかを実例として公開しました。
展示会では、メタバース内でのNFTプロジェクトの展示に加えて、初心者向けのメタバース体験会やビジネス特化型NFTプロジェクトのウェビナーが開催されました。
開催期間中は24時間いつでもSpatial内でNFTプロジェクトを閲覧でき、社会課題の解決に役立つNFTの可能性を広く知ることができました。
GardenBee
GardenBeeはバーチャルフラワーショップであり、「メタバースに花束を」をコンセプトにしています。
3Dフラワーショップとして、メタバース上にリアルな店舗を再現しています。
ここでは、鮮やかなブーケや個々のお花を無料または有料で提供し、ユーザーはバーチャル空間でリアルな買い物体験を楽しむことができます。
このようなバーチャルフラワーショップの事例は、実際の店舗へ行くことが難しいユーザーにとっては、メタバース上での買い物体験が手軽でスムーズな選択肢となります。
これは、メタバースがデジタル空間での新たな販売手段として、現実世界のビジネスに革新をもたらしている一例です。
CEC新潟情報サービス
CEC新潟情報サービスは、2023年7月6日に「CECソリューションフェア2023」を開催しました。
このイベントでは、「体感しよう!DXとメタバースの可能性」というテーマが掲げられ、NTTコノキュー社が提供するプラットフォーム「DOOR」を活用しました。
このプラットフォームは、パソコンやスマートフォンからアプリを必要とせずに簡単に接続・操作が可能なものです。
メタバース会場では、「エントランス」や「出展社/製品ジャンル広場」、「対話展示ルーム」、「歌・漫才・ダンス」など、約50種類もの空間が展開されました。
物理空間の制約がないため、参加者は日本全国から集まり、DXやメタバースの可能性を実際に体験しました。
阿智村メタバース商店街
「きれいな星空が見える村」として知られる長野県阿智村商工会は、メタバース上に仮想の商店街「阿智村メタバース商店街」を制作しました。
これは、会員事業所の事業発展と地域振興を目的に、阿智村の昼神温泉出湯50周年の記念行事の一環として行われたものです。
商店街は昭和30年代の賑わった様子を再現し、会員事業所の製品やサービスを紹介。
阿智村の魅力を伝えつつ、経済効果を狙います。
このプロジェクトには、製造業や飲食業、サービス業など14の事業所が参加し、制作には合同会社未来創世塾が技術面でのサポートを提供しました。
同商工会は、ITの新しい技術を活用した販路拡大や交流人口増加に期待しています。
GIVENCHY BEAUTY PRIDE GALLERY
GIVENCHY(ジバンシィ)は、2023年のプライド月間を記念して、LGBTQIA+のアーティストとコラボレーションしたバーチャル展覧会「ジバンシイ ビューティー プライド ギャラリー」を、Spatialで開催しています。
Spatialは文化イベントを得意としており、3人のグローバルなデジタル・アーティストとのコラボレーションにより、プライド月間の精神に沿ったデジタルアート作品が制作されました。
展示スペースは浮遊する白い大理石の島で、ブランドのカラーを表現した3Dの世界です。
その美しい島でアーティストの作品を探検したり、隠されたアイテムを見つけて特別なプライズを手に入れることができます。
HUGO BOSS Metaverse Fashion Week
BOSSは、2023年のメタバース・ファッション・ウィークで、Spatialを活用した没入型のバーチャルショールームを展開しました。
このショールームは、マイアミファッションショーのデジタル版であり、空間内でゲームの要素とデジタルショッピングを融合させています。
訪問者は、Spatial上のバーチャル空間を自由に移動し、アイテムを探し、クエストを達成することで限定のデジタルファッションアイテムを獲得できます。
さらに、BOSSのオンラインストアと連携しており、商品を直接購入することも可能です。
このプロジェクトは、ブランドのイノベーションとSpatialを介して、新たなファッション体験を提供しています。
BMW Motorrad MetaRide
BMWは、Spatial上にバーチャルワールド「BMW Motorrad MetaRide」を構築しました。
この仮想空間では、ユーザーはBMWの最新EVバイク「BMW CE 02」を実際に体験できます。
Meta Quest 2やMeta Quest Pro、PCからアクセス可能で、BMW Motorradのブランド世界観をリアルに再現しています。
ユーザーは自分のアバターを作成して「BMW CE 02」に試乗し、バーチャルトークンを集めたり、アバター向けのジャケットなどの特典を獲得することが可能です。
BMWはXR技術を積極的に活用し、このバーチャルワールドを今後も拡張し、他のBMW製品も追加していく予定です。
|まとめ
Spatialは、さまざまな業界で無限大の可能性を広げています。
バーチャル空間での展示会やセミナー、音楽ライブ、教育、コミュニティ形成など、
参加者のインタラクティブな体験を提供しています。
また、文化イベントやファッションショーなど、エンターテイメント分野でも活用が進んでいます。
これからもSpatialは、新たな可能性を切り拓いていくことでしょう。